金本流指名は1位オコエ!サプライズも
「プロ野球ドラフト会議」(22日、グランドプリンスホテル新高輪)
阪神・金本知憲監督(47)が21日、都内で22日に行われるドラフト会議で、欠点を度外視し将来性を見据えた指名を行う方針を明かした。1位指名の最有力候補は県岐阜商・高橋純平投手(18)だが、金本監督自身、関東第一・オコエ瑠偉外野手(18)にも魅力を感じているという。当日のビデオチェックなどを経て、サプライズ指名の可能性も出てきた。
平均点の選手は求めない。粗削りでもいい。欠点は度外視だ。「入ってから教育すればいいんだから素材のいいのを取りましょうと(伝えた)」。自分で磨き輝かせるから、ダイヤモンドの原石をつかみたい。初のドラフトでも「金本流」の指名を堂々と展開する。
「無難な選手のドラフトは脱却しないと。それは僕も言ってるので。欠点大いに結構。欠点は(チームに)入れて直すんだから。それは昨日も、何回も口酸っぱく言いました」
金本監督の求める選手像は明確だ。化ける可能性があるのかどうか。現時点の点数は関係ない。「コントロールが悪いとか変化球が少ないとか、変化球を打てないとかインコース打てないとか、今はまったく無視をして」。素材や身体能力などをポイントに置く。
この日、15時からのスカウト会議で1位指名候補は7人に絞られた。球団はこれまで1位指名の最有力候補に県岐阜商・高橋を挙げてきたが、新指揮官の意向を踏まえて、当日に最終決定する方針だ。所用で会議に出席できなかった金本監督は夕方に報道陣に対応。「まだきっちりビデオを見れてない。今からと明日見て」と話した。
以前から「外れ1位」候補に浮上していた関東第一・オコエを1位指名する可能性も十分にある。金本監督自身、オコエの規格外の身体能力に魅力を感じており、その思いを球団関係者にも話しているという。この日、報道陣に明かした1位指名の方針とも合致する存在。候補選手で具体的に浮かぶ名前を問われた時も「オコエ」という名をはっきり口にした。
南社長が「ホテルの部屋で4時までビデオ見るんとちゃうか」と話したように、ギリギリまで原石を見極める。その結果、オコエのサプライズ指名に踏み切っても不思議ではない。もちろん、それが誰であれ、決めた選手は競合覚悟で挑む。
「(競合でも)いく時はいきましょうって。藤浪を取ったように。競合を恐れたら何もできない」。22日の初陣、見所は十分だ。クジ運は「弱い。本当に当たらん」と笑ったが、揺るぎない信念から生み出されるドラマから、目が離せない。