金本監督 打の意識改革「狙い変えろ」
阪神・金本知憲監督(47)が25日、甲子園での秋季練習を視察し、打撃面の新たな改革論を説いた。チーム方針として、カウントに応じた打撃を明確に色分けし、下位の7番打者には、状況次第で三振オッケーの長打狙いを命じる考え。今季リーグワーストの得点力に終わった猛虎打線の意識改革を断行する。
チームとして大きな成果を得るために、細部にも方向性を定める。意識付けを浸透させる。まずはそこから。責任を背負うから、徹底してやってもらう。得点力不足解消へ。前日は「右打ち」の意識改革を選手に訴えた金本監督が、選手への指導と並行して、打撃面の方針を明かした。
「(どのカウントも)同じようにほんわかしたものじゃなく、はっきりカウントによって色分けする。アウトカウントとね。選手の意識として時間がかかるかもしれないけど、全然難しいことじゃない。慣れてないだけで、選手も忘れがちになると思うけど根気よく」
この日、説いたのは、チームとしての「約束事」のようなもの。今の阪神の打者には「追い込まれた後のバッティングを若いカウントからやっているイメージ」を持つ。カウントによって狙いを変える。追い込まれる前と、追い込まれてから。そこに線を引く。
「追い込まれたらもっとバットに当てにいく、三振だけはしないようにという意識付けをもっと強くしていくし、(今より)もっと(打撃が)小さくなるかもしれない。2ストライク後のバッティングは」
追い込まれていれば、大振りせず当てにいくのも悪くない。ただ、あくまで2ストライク後のこと。「(逆に)2ストライクまでは今まで以上に、今までの倍以上振らす。倍、強く打たす」と話す。どのカウントも同じ、では意味がない。
また、細かなカウントによる方向性だけでなく、例えば下位の7番打者にも明確な指示を与える。仮に2死無走者で7番打者の場面。粘って軽打で出塁しても、8、9番で得点できる可能性は低い。それなら長打を狙わせる。ベンチの責任で。
「三振オッケーで2ストライク後もイチかバチか振れ、と。逆に三振して来い、ぐらいのことは伝える」と金本監督。今季の総得点数はリーグワースト。一朝一夕で解消されないからこそ、細かなことを積み重ねていく。金本監督が施す意識改革。鉄の意志で、根本からチームを変える。