片岡コーチ「田舎者のスターになるな」
阪神・片岡篤史打撃コーチ(46)が28日、西宮市内の球団事務所で就任会見した。会見に先立ち、秋季練習中の選手らを前に「田舎者のスターになるな!」と訓示。4年ぶりの現場復帰に向けて、巨人・坂本、ヤクルト・山田のような全国区のスター選手育成をテーマに掲げた。
コーチ就任と同時に片岡節がさく裂した。就任会見より先にグラウンドへ。秋季練習中の選手の元へと向かった。神妙に聞き入る若虎たちを前に「田舎者のスターになるな」とブチかました。
真意は明快。人気球団にいることで、少し活躍しただけで、メディアに大きく取り上げられる。そこで勘違いするなというわけだ。
「本当の全国区の選手になってほしい。今で言うなら山田(ヤクルト)とか坂本(巨人)のような選手。そういう選手を一人でも育てたいですね」
11月に開幕する野球の世界大会「プレミア12」。日本代表の侍ジャパンには藤浪が出場辞退したため、阪神からは選出ゼロとなった。野手にいたっては45人の1次ロースターでさえ一人もエントリーされなかった。生え抜きのスターを育てる。片岡新コーチの大きな課題でもある。
就任要請は17日に金本監督が監督就任要請を受諾した数時間後だった。CSファイナルSの解説をしている時に着信があったという。
「非常に思いを感じました。ただ、大変なところ。すぐに受ける気持ちにはならなかった。監督のなんとかチームを強くしたい、という気持ちを聞いて力になりたいと思った」
今季のチーム総得点はリーグワースト。打力アップが急務であるだけに、その責任は重く、大きい。2度目のコーチ業。3年間の評論家生活で絶えずヒントを探してきた。
「今は厳しくすればパワハラ、モラハラと言われる。殴るだけが厳しさじゃない。コミュニケーションをとって納得してもらってやらないと伸びない。選手が一人前になるために情熱を持って指導に当たりたいと思います」
現役時代には“男・片岡”と呼ばれた情熱の人。熱血指導で全国区のスターを育て上げる。