岩崎“秘球”金本監督の金言で磨く
阪神・岩崎優投手(24)が29日、金本監督との面談の中で、高めの球を有効に使うようにとアドバイスを受けていたことを明かした。この日は甲子園のブルペンで、指揮官がネット越しに見守る中、意図して投げた高めの球も含めて80球。今後も試行錯誤しながら、自信の武器として高めの球を磨いていくと誓った。
左腕の“秘められた武器”が、金本監督の目に留まっていた。岩崎は「面談のときに『高めをもっと使ったら?』と言われました」と、指揮官からアドバイスを受けていたことを明かした。
金本監督はこの日、岩崎について「彼が高めを打たれたのをほとんど見たことがない」と話した。最高球速は140キロ台前半だが、高めの直球は球速以上の威力を発揮。実際、ルーキーイヤーの昨季から、高めの球で空振り三振を奪う場面が多く見られた。
岩崎はこの日のブルペンで、指揮官の指示に従って高めの球を投げ込む場面もあった。ただ、そうした球は「球威がないと感じた」。逆に「低めを狙ったけど高めにいっちゃった球の方が、質としてはいいなという感覚だった」と振り返った。
指揮官は「意図的に高めに投げると、リリースポイントが早くなって、打ちごろになっていた」と分析した。狙った球ではなく、“抜け球”が威力を発揮するというのが厄介なところ。しかし、それを自在に投げられるようになれば、投球の幅が大きく広がる。
すぐに体得するのは難しいが、指揮官は「あれを本当に意識して投げることができたら、相当勝つと思う」と大きな期待を寄せている。それだけに本人も「意識してやっていきたい」と、試行錯誤を続けるつもりだ。
先発5番手として期待された今季は開幕ローテ入りを果たしたが、最終的には3勝10敗と大きく負け越し。首脳陣の期待に応えることはできなかった。先発4本柱に続く存在になれる素質は十分あるが、今はまだ切れ味の鈍いなまくら刀。しかし、しっかりと磨き上げることができれば、“名刀”になる可能性を秘めている。