西岡巻き返す!天国の中村GMにV誓う
阪神・西岡剛内野手(31)が19日、甲子園で開かれた故中村勝広GM(享年66)の「お別れの会」に参列。中村GMは2012年オフにメジャーから日本球界に復帰する際、尽力してくれた恩人。「天国から見守ってくれていると思うので来年は巻き返したい」と、たむけのリーグ優勝を誓った。
会の冒頭で在りし日の中村GMの姿がVTRで流され、吉田義男氏の弔辞、長男・大輔氏による謝辞を耳にすると、西岡の胸に強く突き刺さるものがあった。
特に大輔氏は「阪神で優勝したいと口にしておりました。父がどれだけ無念だったか、計り知ることはできません」と、涙をこらえながら父の思いを代弁した。いずれも亡きGMの優しい人柄と、タイガースへの情熱が伝わってくるものだった。背番号7のユニホームに身を包み、そのすべてを全身で受け止めた。
「アメリカまで声を掛けてくれたのがGMでした。去年、今年と期待に応えられませんでした。天国から見守ってくれていると思うので来年は巻き返したい」
日本球界復帰の橋渡し、お膳立てをしてくれた恩人。恩返しは勝つことでしかできない。そのために自分がやるべきはグラウンドに立ち続けること。昨年は開幕直後に守備で福留と激突し、シーズンのほとんどを棒に振った。今季も5月に右肘内側側副じん帯を損傷、わずか50試合の出場にとどまった。亡きGMが期待した姿には程遠い数字しか残せなかった後悔の念が渦巻く。
来季は三塁から再び二塁へ戻り、上本、大和らとの定位置争いに挑む。心配される右肘については「全然大丈夫です」ときっぱり答えた。投げられるのかと問われ「大丈夫です」と短い言葉で心配無用を繰り返した。
多くの言葉は必要ない。痛めた右肘はリハビリで完治させ、投げられるようにする。打撃もシーズン終盤は左打席の代打のみの出場だったが、スイッチヒッターとしての輝きを取り戻してみせる。定位置争いにも絶対に負けるつもりはない。
届けられなかった恩人の夢。無念の思いは西岡も同じ。タテジマ4年目を迎える来季。必ずや自らの手で、リーグ優勝-日本一を飾り、天国で見守る中村GMに胸を張って報告する。