金本監督ヤンチャ上等、型破り新人期待
阪神の新人選手入団会見が7日、大阪市内のホテルで行われ、金本知憲監督(47)が新人の「やんちゃなアピール」を大歓迎した。ドラフト3位指名の竹安大知投手(21)=熊本ゴールデンラークス=が田中秀太スカウトの仕込みに応え、いまや珍プレーとして語り継がれている「秀太事件」を掘り起こした。“アニキ流儀”は、目立ってナンボ!のメンタルを推奨する。
金本監督は「やんちゃ」な自己紹介を歓迎した。緊張の息づかいで張り詰める毎年恒例の空気をドラフト3位の右腕が打ち破った。
「秀太が仕込んでいたな。いいことよ。全然、大丈夫だし、そういうのはウエルカム。世代も(個人の)気質もあるけど、オレ自身、20数年前に(入団会見で)じゃあ何を言ったかというと、ありきたりのことを言っていたと思う。それ(発言)をどうこう言うつもりもないし、まあ、やんちゃは大歓迎」
新人の所信表明は1位の高山がお手本のような発言で先陣を切り、2位の坂本も同門の同僚に続いた。そしてわずかな静寂の後、型破りにぶちかましたのは田中スカウトが隠し玉として上位指名を推薦した竹安だった。
「担当スカウトの田中秀太さんから『グラブは投げるものじゃない。大切にしろ』と言われました」
あの“事件”を知る関係者、報道陣は爆笑。指揮官も思わず噴き出した。
背番号42をつける右腕を発掘した田中スカウトにとって、その象徴とも言える下柳剛氏は浅からぬ因縁の投手だ。07年10月の横浜(現DeNA)戦で遊撃手の秀太が連続でミスすると先発の下柳が怒りを爆発させ、マウンドにグラブをたたきつけた。当時左翼手の金本監督も生々しく事件に立ち会っており、人ごとではない。「おもしろいこと言って目立てよ」。自虐を込めた田中スカウトのネタ仕込みに新人が見事に応えたというわけだ。
竹安発言を振られた指揮官はイタズラっぽく、それでいて真面目なトーンで型破りのアピールを称賛した。
「目立ってナンボ?すべてにおいてそうだね。やっぱり目に留まらないと…。口からでもいいよ。これで竹安が練習のときにグラブたたきつけたらおもしろい…まあ、本当はやっちゃいけないんだけど(用具以外の)たたきつけていいものだったら、それくらいの愛嬌(きょう)は大歓迎。スカウトのせいにすればいいんだから」
金本監督はかねて若手選手のアピールについて「ハッタリOK。それくらいの根性が必要。仮に同じ実力ならグイグイ言っている選手を使いたくなるもの」と話してきた。新人だからって優等生を気取らなくてもいい。アニキ流の採点表は「やんちゃ上等!」だ。