岩田“下駄トレ”骨盤矯正に特注一本歯
阪神・岩田稔投手(32)が4日、関西国際空港から自主トレ先のアリゾナへ出発した。約2週間の自主トレでは特注「一本歯下駄(げた)」を使ったトレーニングを導入する。今季の目標である年間200イニング突破へ骨盤を整えて、どっしりとした土台作りを目指す。
大きなスーツケースの中にそっと「下駄」を忍ばせた。約2週間のアリゾナ自主トレ。アメリカに似つかわしくないこの下駄こそ、200イニング突破を目指す岩田の秘密アイテムだ。高さ約15センチの特注一本歯の下駄を履いて、毎朝約20~30分、散歩するという。
すでにシーズンオフから履き始めており、「(歩くのは)難しくはないけど、調子に乗って歩いていると前につまずく」と苦笑い。連日のハードトレーニングではどうしてもバランスが崩れがちだ。乱れた骨盤のバランスを整えるため、「下駄トレ」を取り入れた。
メニューを提案した個人トレーナー・稲川翼氏は「骨盤を整えて正しい位置に戻す効果があります」と説明。競輪界では一部選手が導入しており、「試しに履いてみたら、すぐに効果が出た」「腰痛がなくなって体が軽くなった」「使い続けて何年かしたら一気に成績が上がった」など、効果を実感する競輪選手もいる。稲川氏の弟である稲川翔選手も、走行前の足踏みの際に使用している。
今回は幅2センチと1・5センチの2種類を持参。何より大切なのは継続で、シーズンに入っても遠征先まで持ち込む予定だ。1年を通して、岩田は一本歯下駄を履き続けるという。
アリゾナでは昨オフに続いて、股関節まわりも強化する。目的は直球の押し込みをさらに強くすること。昨季を振り返っても、「(シーズン)序盤はそこまで押し込んでる感じはなかったけど、後半ぐらいに意識が出てきて、やりたいことが伝わってきた。ボールにも表れてきた」と効果を実感。「真っすぐで勝負できないと、他の球種も生きてこない」と確かな手応えをつかんでいた。
プロ11年目の今季は初タイトル奪取も目標に掲げる。温暖なアリゾナで一本歯下駄を履き、土台作りに励む。