藤浪プロ初「大吉」投げる試合全部勝つ

 阪神・藤浪晋太郎投手(21)が4日、大阪府大東市内の大阪桐蔭グラウンドで自主トレを公開。今年の漢字一字に「勝」を選び、大黒柱としてチームをリーグ優勝に導くことを誓った。キャッチボールで“初投げ”し、右肩炎症からの回復も順調。元日に引いたおみくじは「大吉」で、幸運の波にも乗って勝ちまくる。

 藤浪は10秒ほど頭をひねり新年の誓いを立てた。「優勝の『優』…やっぱり、『勝』にしましょう!」。プロ1年目から恒例となった今年の漢字のお披露目。「磨」、「躍」、「制」と一字に意味を込めてきたが、今年は実にシンプルだ。

 「意味はもうそのままです。優勝したい、勝ちにこだわってチームを勝たせられるような1年にしたい。『藤浪が投げた試合は全部勝てる』と思ってもらえるくらいの投球をして、チームに優勝をもたらしたいと思います」

 力強く、登板試合の全勝を宣言した。まだ21歳だが、投手陣の大黒柱としてチームをけん引する自覚は十分。「必死で投げてチームを引っ張るというか、(先輩選手に)『まだまだ若いヤツに負けてられない』と思ってもらえるようなプレーができたら」と自らのエース像を描く。

 今年は最高に縁起のいいスタートだ。元日に訪れた初詣でおみくじを引くと吉兆を示す2文字が目に飛び込んできた。「大吉でしたけど、大吉はそれ以上、上がりようがない。吉ぐらいが良かったなと思います」。常に右肩上がりを目指す男の心境は複雑だが大吉はプロ初。高校時代に甲子園春夏連覇した年でさえ吉だった。「飛躍とかそういう意味で上がってくれる年になればいい」と今年は運も味方にするつもりだ。

 右肩炎症のため12月中はノースローを続けてきたが、この日は元気にキャッチボールを再開。カーブ、カットボールなど、変化球も交えて45球の“初投げ”を行った。「投げ方はぎこちないと思う」と苦笑いしたが、照準を合わせる開幕戦へ、回復は順調そのものだ。

 「自分自身の原点で一番、初心にかえれる。甲子園を目指していた純粋だったころの自分を思い出して、今年もそういう思いを忘れず、しっかりやりたい」

 母校の懐かしい空気に触れて、決意を新たにした。プロ4年目の今年は20勝、防御率1点台に加え、沢村賞も大きな目標だ。異次元の成績を目指す藤浪の1年が幕を開けた。

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