米国人虎党、世界に虎グッズ売りマッセ
阪神を世界に広めようと活動している米国人実業家がいることが13日、分かった。昨年9月に「株式会社Kakehashi Sports」を立ち上げたウィリアム・ブルックス代表取締役(39)だ。高校時代に日本に留学し、阪神ファンになった同代表。起業の意図や、今後のビジョンなどを聞いた。
タテジマへの愛を持つのは日本人だけではない。東京都在住のブルックス代表は、今年で日本在住18年目。「野球は年間60~70試合見ます。甲子園にも20試合くらい行きますよ」。流ちょうな日本語で、野球への情熱を語った。
94年に学習院高校に留学。その時、留学事業の関係者に連れられて東京ドームを訪れた。くしくも、それが阪神戦。大勢の巨人ファンに負けない声援を送る虎党の姿が「レッドソックスに似てるなと思った」と自身のひいき球団のファンと重なり、魅了された。
一度帰国し、00年に再来日。人材ビジネスなどを経験した後、起業家に転身し、今回が3度目の起業だ。近年は日本人のメジャー挑戦も増加しているが、海外向けの野球グッズは少ないという。「外国人向けに日本の野球を推進したい」。それが設立の理念だ。
また、最近は海外で日本の球団のロゴを違法使用したグッズが売られていることを明かした。「日本のことを知らない人が、多分1億円くらい稼いでいる。僕は正規のルートで作ろうと思った」。阪神には昨年中にライセンスを申請し、正式に認証を得た。第1弾グッズは新外国人・ヘイグら19人のTシャツ(定価3500円)で、宜野座キャンプ中の初売りを目指している。
今後はグッズ販売だけにとどまらない。「レッドソックスファンと、阪神ファンの交換ツアーも考えている。それも“Kakehashi”の一つ」。日本を訪れたことのないファンが、阪神の勝敗に一喜一憂する。そんな日が来るのも、遠くはないかもしれない。