藤浪 独壇場の“しゃべくり投球”
「阪神春季キャンプ」(3日、宜野座)
藤浪晋太郎投手(21)がブルペンで、キャンプ初の投球練習を行った。初めてバッテリーを組んだルーキー・坂本に丁寧に自分の意図を伝え“しゃべくり投球”を展開。直球、カーブなど7種の球種すべてを披露し、47球を投じた。
立ち見であふれた観客席の視線を独り占めにした。相方が坂本に代わると、藤浪は“しゃべくり投球”をスタート。マウンドから球種の特徴を紹介し、次々と持ち球を繰り出した。
「カーブ行きます。たぶん曲がらないです」。「(フォークは)140キロぐらい出ます」と解説すると、「(カットボールは)キレてますか?」、「(ツーシームは)落ちてますか?ボール半分動いてたらいいです」と精度を確認した。
さらに、「(チェンジアップは)どこに行くか分からないです。審判さん、ちょっと危ないです」と予告して笑わせた。納得のボールには「終わっておきたいぐらい」と自画自賛。ラスト1球を投じる前は「良くも悪くも終わります」と宣言。直球でビシッと決め、「ヨッシャー、OK」と腹の底から大きな声を出した。
「もっとばらつくと思ったけど、ストライクゾーンにまとまっていた。全部、全力ではないですけど、全体的にしっかり腕が振れました。状態としては、悪くないと思います」
春季キャンプ初のブルペン投球は大満足の内容だ。“しゃべくり投球”にも明確な理由があったという。
「坂本さんに受けてもらうのは初めてなので、自分の意図、意思が伝わりにくかったらダメ。確認というか、聞いたりしました」
生チェックした金本監督は改めて開幕投手を藤浪かメッセンジャーに任せる方針を示し、「速かったね。フォームをチェックしたりいろいろ工夫してやっている」と感心。巨人樽見スコアラーも「この時期にあれだけ投げられたら言うことないんじゃないか」とうなった。藤浪にとって、プロ4度目の春季キャンプ。今年も、堂々と主役を演じる。