マテオ、指揮官も絶賛の初ブルペン
「阪神春季キャンプ」(3日、宜野座)
マルコス・マテオ投手(31)=前パドレス=が3日、今キャンプで初めてブルペン入りし、直球だけで44球を投じた。剛速球のイメージが強い右腕だが、ストライクは全部で35球と制球力の良さをアピール。金本知憲監督(47)や、他球団のスコアラーからも高い評価が聞かれた。
並々とたくわえたヒゲに、丸太のような二の腕。その風貌からは豪快なイメージしか湧かない右腕だが、初披露したピッチングでは、精密機械のような一面を見せた。
梅野相手に投じた44球は、そのほとんどが構えたところにズバッ。ノーワインドアップからのスリークオーターは、ほぼ一定の動きを繰り返し、14球連続ストライクも記録。香田投手コーチは「すごくいい投げ方。軸がぶれない」と評した。
満を持してのブルペン入りに本人は「とてもいい調子で来ている」と手応え。制球には自信があるようで「ストライクを投げろと言われたら投げられるし、ボールを要求されたらいつでも投げられる」と胸を張った。
1日に初投球したドリスは、揺れ動く直球が注目を集めた。マテオの直球は、梅野が「日本人っぽいというか、きれいな回転」と話すように対称的な球質だ。
この日は初ブルペンとあって、スピード自体はやや抑え気味。それでも、金本監督は「右打者はノーチャンスに近いんじゃない」と絶賛。マテオが14日に予定されている紅白戦に向けて準備していることを聞くと「じゃあ投げてもらおうか」とゴーサインを出した。
他球団の007も制球力を高く評価。巨人・樽見スコアラーが「散らばる投手かと思ったらコントロールが良さそう。あとはスピードがどれくらい出るか」と話せば、ヤクルト・西沢スコアラーは「自滅するタイプではない」と断言した。
2月3日ということで、練習後には節分を初体験。鬼役のキー太に向けて、剛速球の豆を何度も投げつけ「初めてで何が何だか分からなかったけど、覚えることができて良かった」と笑顔を見せた。ともに最速160キロと自称するマテオとドリス。2人による守護神争奪戦は、日増しに熱を帯びてきている。