ヘイグレギュラー危ない…し烈三塁戦争

 「阪神春季キャンプ」(7日、宜野座)

 阪神・金本知憲監督(47)が7日、三塁のレギュラー争いを「迷う」と語った。宜野座キャンプ第2クール2日目のこの日、実戦打撃で今成が右中間三塁打を放ってアピール。前日6日には新井良が本塁打を放つなど、競争は激化。マートンの代役として期待される本命のヘイグはここまで実戦形式4打席で無安打。新助っ人に定位置は用意されていない。

 金本監督はキャンプイン前夜のミーティングでマートンの抜けた穴を嘆いていた。「戦力的にはマイナス要素が多い…」。代役で獲得したヘイグが日本の野球で未知数なのだから、ネガティブな思考にならざるを得ない。だが、同時に「冷静に考えれば楽しみなところがある」とも言った。安打製造機を欠いた不安がキャンプの経過とともに、うれしい悩みに変わりつつある。

 「サードね…。ヘイグと、今成と良太。ダブル、リョウタね。良太も昨日、本塁打を打ったりしてね。迷うというか…。(ポジション争いは)今からなんだけど、今成のバッティングも捨てがたいし、良太のパワーも捨てがたいから」

 快晴の宜野座は今キャンプ最多の8000人観衆で埋まった。北朝鮮が発射したとされる長距離弾道ミサイルが朝、沖縄上空を通過。緊急通知直後は不安を口にする球団関係者も多くいたが、午後から行われた実戦打撃で快音が飛び出すと、物騒な話題もいつの間にかかすんでいった。

 球場に活気をもたらした主役は今成だ。第1打席で鶴の直球を強振し、右中間を深々と突破。前日、左翼へ特大弾を放った新井良とともに「三塁・ヘイグ」構想に待ったをかけた。金本監督は「外国人選手はこの時期は評価できない」と言う。確かに2月中旬からキャンプインする米国の選手にとって今はオフ。この日のヘイグは鶴の直球を捉え損ねて併殺に封じられ、秋山に対しても三ゴロに倒れたが、真価を問われるのはまだ先だ。

 とはいえ、レギュラー奪取に燃える「ダブルリョウタ」だって、かませ犬で終わるつもりはない。「常にどん欲な気持ちでやっていきたい」とムードメーカー今成の目がつり上がる。重度の腰痛で昨季まともに戦えなかった新井良も雪辱に燃えている。

 宜野座を視察する他球団のスコアラーはヘイグの三塁の守備力に△印。米国式でスロースタートした新助っ人がマイペース調整を続ければ、さらに三塁争いは混とんとしてくるだろう。ヘイグに「指定席」は準備されていない。

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