金本監督が異例デモ!鳥谷の前で19振り
「阪神春季キャンプ」(18日、宜野座)
阪神・金本知憲監督(47)が、特打を行った鳥谷敬内野手(34)への指導で自らフリー打撃を実演した。主に正しいバットの軌道を習得するための練習方法として、19スイングのデモンストレーションを敢行。おそらく、歴代23人の阪神監督が誰もやってこなかったであろう「超変革」を象徴するような指導方法で、主将の「超一流」化を期待した。
メーン球場で鳥谷の特打が始まって43分、161スイング目を終えたときだ。ケージ裏で金本監督が浜中打撃コーチに声を掛け、何やら要求した。打撃フォーム確認のために重宝する動画撮影用のiPad…ではない。同コーチは背番号6の革手袋と、白木のバットを指揮官に手渡した。
おそらく12球団の現場トップが誰もマネのできないデモンストレーションが始まった。金本監督が鳥谷に代わり、打撃ケージに入る。恒例のリレー走でひとしきり盛り上がった後だけに観客席は3割程度でまばらだったが、「おぉ~」と歓声が上がった。現役時代をほうふつさせる素振りを2度。その後、橋本打撃投手の投球をカ~ン、カ~ンと左方向へ打ち返し始めた。
上からバットを振り下ろす大根切りのようなジェスチャーを示し、鳥谷に指南するように19スイング。「彼の能力を考えれば昨季の成績は物足りなさすぎる」と変革を促した主将を相手に自ら実演して、手本を示した。
「あれはイメージね。でも、うまく当たらない。下柳のボールはギリギリ打てたけど…。サードライナーを打つつもりで打ったけどダメだね。少し恥ずかしかったけど…」
11日に紅白戦の前座で下柳臨時コーチとガチンコ対決し、3打数1安打。隠密で練習に励んだ成果を出したが、この日は理想的なレクチャーとはいかず、何度も苦笑いした。
「あれは練習方法で、そういう打ち方をしろと言っているんじゃない。投手で言えばわざとベース板に投げる練習とかあるでしょ。そういう感じ。結果として軸ができたり、トップが深くなったり…一番はバットの軌道だけどね。2、3球だけ(本人が)ん?という今までにない感覚があったみたいだよ」
フォームそのものの矯正ではなく、超一流の打者へ成長するためのアプローチ。練習だけ見れば、左方向へ強い打球を放つ方法論のようにも映るが、意図は別のところにある。
「レフトへ浜風に乗せて打つ打法とはまったく違う。レフトへ本塁打を打てと言っているわけではないから。逆方向へスライスさせない打ち方をね。ヒントになればいい」
実演後、鳥谷はさらに56スイングし、右翼へ2本柵越えを放った。“物足りる”打者になってほしい。そんな願いを込めて、金本監督はちょっぴり照れながら、ひと肌脱いだ。
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