原口、下克上や!育成から正捕手争いへ
「阪神2軍春季キャンプ」(23日、安芸)
1軍昇格を果たす阪神育成選手の原口文仁捕手(23)は、「今回がラストチャンスの気持ちで」と正捕手争いの“下克上”を誓った。
「テレビで見てると選手の目がギラギラしている。自分もギラギラしていかないと」と力を込めた原口。捕手としての実力は入団直後から評価され、下柳氏が鳴尾浜で行った退団登板の女房役に指名した。日本人捕手で初めてメジャーでプレーした城島氏も「あの子はいいキャッチャーになるよ」と断言した。
そんな若虎の飛躍を妨げていたのが故障。入団2年目から椎間板ヘルニアを患い、14年には打球を追って右肩を脱臼した。その間、捕手を断念せざるを得ず一塁手へ。育成契約に切り替わった。それでもあきらめず「体もやっとしっかりしてきた」と今年1月から捕手復帰を果たした。
安芸では実戦で結果を残し、捕手としても安定した動きを見せた。掛布2軍監督は「彼は黙っててもやるタイプ。打撃もいいし、梅野のライバルになれる。第1クールから推薦していた」と育成枠から“飛び級”昇格した理由を明かす。
原口がまだルーキーだった11年8月。腰の張りで練習参加にドクターストップがかかった。その直後、虎風荘の食堂で泣きはらし、トレーナーに「練習ができなくて悔しい」と涙ながらに参加を訴えていたという。
そんな人間性を金本監督はじめチームの誰もが知っている。チームを変える“熱さ”を持っている。背番号3桁からの正捕手争い-。「もっともっとアピールしたい」と目を輝かせる男が宜野座に熱風を巻き起こす。