ねじ伏せて!金本監督、異例リクエスト
阪神・金本知憲監督(47)が、鷹投手陣へ異例のリクエストだ。チーム全休日の1日、指揮官は3、4日のソフトバンク2連戦(ヤフオク)を前に「ウチの打線をねじ伏せてほしい!」とお願い。昨季日本一の横綱を相手にキャンプの成果を見せてほしい。そんな願いを込めた金本流のゲキ。若虎はどんなアンサーを見せるか。
「鍛える」を主題に白熱した29日間の沖縄キャンプが終了し、各ポジションのサバイバルはいよいよ佳境に入る。3・25の本番まで14試合組まれるオープン戦は鍛錬の成果を存分に発揮する舞台となるが、開幕1軍を目指す若虎にとって、ここから試練の幕が開ける。
首脳陣が見極めたいのは、沖縄で発芽したチルドレンの力量がホンモノがどうか。3、4日のソフトバンク2連戦を控え、金本監督は日本一の投手陣へ、異例のリクエストを発注した。
「ソフトバンクのピッチャーに、いい投球をしてほしい。『てめえら、これが本物だぞ!』というね」
その心は指揮官が初采配をふるった2月16日の楽天戦(練習試合)を振り返ればうかがえる。同戦は12安打12得点で大勝したが、虎将はニコリともせず言った。
「相手投手も若く、1軍のローテーションで投げる投手ではないので自信が過信にならないようにしてほしい。あくまで目標はエース投手、セットアッパー、クローザーを打てるような打力です」
沖縄での対外試合4試合(韓国・サムスン戦を除く)で対戦した先発投手は、楽天の安楽、浜矢、ヤクルト・原樹、日本ハム・高梨。1軍で実績のない若い投手を相手にHランプを重ねても、それが1軍のレギュラーとして活躍できる指標にはならない。金本監督はそう言いたい。だからこそ、この時期に横綱と組めるありがたさを強調するのだ。
「ウチの打者に1軍のエース級の球を見せたい。そこで対応してくれれば願ったりかなったり。そこは自信をつけてほしい…半分はそういう気持ち。もう半分はソフトバンクのピッチャーにウチの打線をねじ伏せてほしい(笑)。自分たちの力のなさというものを自覚するためにね」
ソフトバンクは初戦に千賀、2戦目は摂津が先発予定。中継ぎ、抑えも盤石の王者を敵に回し、どれだけ成長過程の打撃をさせてもらえるか。底上げの真価が問われる舞台。金本監督の太鼓判をかけ、若い力が福岡の2番勝負に臨む。