罰金、祝儀…阪神選手も金銭授受あった

 阪神・四藤慶一郎球団社長(55)が15日、鳴尾浜で報道陣に対応し、阪神の選手間で野球を対象にした金銭の授受が行われていたことを明らかにした。確認された事例は2つで、円陣の声出し役の選手を対象にしたものと、ノックでミスをした選手を対象にしたもの。現在はそれらの行為の禁止を徹底しており、再発防止に全力で取り組む姿勢を示した。

 対岸の火事ではなかった。前日、巨人の試合前の円陣で声出し役を務めた選手が、チームの勝敗によって金銭の授受を行っていたことが発覚。それから一夜。同様の行為が阪神でもあったのかを報道陣から問われた四藤球団社長が、神妙な表情で口を開いた。

 「似たようなことがあったのは否定しない。金銭のやりとりはノックで罰金を集めるとか、円陣(を対象にしたもの)もあったと思う。(巨人の事例と)似たようなものです」

 阪神の場合、金銭の授受が行われていた事例は2つ。円陣のケースは、チームが3連勝した場合、声出し役の選手が「祝儀」として野手全員から一人あたり5000円を受け取った。4連勝以降も5000円ずつを集めていたが、投手が声出し役を務めることはなかったという。巨人と違って、負けた場合の罰則はなかった。こちらの時期については「5年前からと聞いている」とした。

 ノックでミスをした選手へのペナルティーはもともとジュース程度だったが、14年は金銭がやりとりされた。1回ミスするたびに500円を徴収され、それを積み立てたものが、選手の食事会の費用に充てられたという。

 前者は、前日の巨人の発表を受けて行われた聞き取りで明らかになったとし、後者は、昨年10月に巨人の選手の賭博行為関与を受けて行われた調査の際に把握していたという。

 どちらも「現在進行形ではない」と、すでに禁止を徹底。賭博行為ではないため「野球協約違反には当たらない」と話したが、グラウンド上で野球を対象にした金銭のやりとりが行われていたとなれば、当然好ましい事例ではない。

 「倫理を問われている。賭博の芽になりかねないので、野球に関する金銭のやりとりはやめましょうと確認した。だから今後そういうことがあったら許されない。そこは襟を正した方がいい」

 同社長は再発防止を固く誓ったが、10日後に迫った開幕を前にチームに影を落とす形になったのは否めない。ファンの信頼を取り戻すには、ひたむきな姿勢が求められる。

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