ヘイグV打!金本虎吉兆の●○○発進
「阪神5-4中日」(27日、京セラドーム大阪)
ヘイ!グー!金本知憲監督(47)も最敬礼の大活躍だ。阪神のマット・ヘイグ内野手(30)が4-4の六回、決勝の右前タイムリーを放った。開幕から3試合連続適時打は球団の新外国人としては史上初。チームも開幕戦黒星の後、2連勝でカード勝ち越しが決定。●○○スタートは優勝した1985、2003、05年と同じ吉兆や!
上下関係を重んじる金本監督が9歳上の平田チーフコーチに突っ掛かった。超満員の観客席に勝利のあいさつを終えた後だ。真顔で…いや、笑っていた。
「きょうは言わなかったので、年上のコーチですけど、最後は強制しました。平田さんは『やめてくれよ~』と言いながら、最後はやっていました。画面(VTR)で確認してください。あれは僕がやらせました」
新助っ人に2戦連続の適時打が飛び出した前日、ムードメーカーの参謀は親指を立て「ヘイ!グー!」とオヤジギャグをさく裂。ベンチを盛りあげていた。でも、この日は封印…納得のいかない指揮官は「なぜ、しないんですか!」と迫った。
そんな快活な機運に乗せられるように、前評判はグー!じゃなかった助っ人が堂々の活躍を披露だ。同点の六回。2死一、三塁から決勝打を右前へ流し打った。1ボールから自信を持って見送った外角球がストライク判定されたが、冷静に頭を切り替えゾーンを拡大。ボール半個ベースを外れた同じ軌道の速球に腕を伸ばし、指揮官をうならせた。
「打った前の球に首をかしげていた。相手バッテリーが(ストライクゾーンが)広いところを攻めようというのを感じ取っていたと思う。僕も(現役時)そういうところがあったので、あの場面は同じにおいがした」
開幕戦から3戦連続適時打は阪神の来日1年目の外国人選手では史上初。ラインバックも、バースも、オマリーも、フィルダーも成せなかった快挙を涼しい顔でやってのけた。
「勝負強いね。でも、1年は長い。日本の投手はどんどん変えてくるから、そのときにどう対応していくかが大事。独特のタイミングの取り方をしているでしょ。彼なりの独特の世界観があるから。僕が足を踏み込んでいいかもしれないけど…そこは難しい」
キャンプから打撃指導を控える理由を虎将はそう明かした。分厚い壁にぶつかるまでグー!と放任スタンスを貫こうと考えている。
「開幕戦は落としたけど、この2連勝を確信できたのは、開幕戦の負け方。あの負け方が大きかったと思う。メッセの盗塁とか…。あの試合が今年、タイガースを変えていく原点になると思う」
打で足で投で攻める。確固たるスタンスが原動力だ。お立ち台でヘイグが叫んだ。「コンパイ!(乾杯)」。85年も、03年も、05年…V年の開幕カードは●○○。大将は言う。「そんな話はまだ、まだ。遠い、遠い、遠いかなたの話」。だが、エネルギッシュな金本虎が吉兆の波に乗ったことはベリーグーだ。