横田初タイムリー!父の前でがむしゃら

 「阪神5-4中日」(27日、京セラドーム大阪)

 阪神・横田慎太郎外野手の記念すべきプロ初打点は、横田らしい泥臭い一打から生まれた。二回1死三塁。2ストライクからネイラーの直球をたたきつけ、打球は三塁の頭上をワンバウンドで越えた。「高山さんが前で打ったので、自分もなんとか打ちたいという気持ちでした」。気迫のフルスイングで価値ある1点をたたき出した。

 六回2死一塁は3番手・岡田から中前打を放ち、前日に続くマルチ安打を記録。3試合連続安打の黄金ルーキーに触発され、20歳の若武者も持ち味をいかんなく発揮している。「(高山さんは)いつも打つので、僕も負けないようにしたい」。刺激し合うことで、成長できる。

 26日は母・まなみさん、姉・真子さんが球場に駆けつけてくれた。夜には元プロ野球選手の父・真之さんも合流し、尼崎市内の焼き鳥屋で食事会。お酒を飲みながら家族団らんの幸せな時間を過ごし、心が安らいだ。

 「俺が教わりたかったくらいだよ…。掛布さん(2軍監督)は本当にすごい人なんだぞ。お前には10年早いよ!1軍で結果を出して、恩返ししないとな」

 真之さんの口癖だという。84年ドラフト4位でロッテに入団し、1年目で打率・300をマークするなどシュアな打撃で11年間のプロ人生を全うした。厳しい世界であることは身に染みて分かっている。だからこそ、息子にかける思いは人一倍強い。

 「がむしゃらにやっていることが今、いい方向に向いていると思いますよ」。この日は真之さんも球場を訪れ、家族3人で背番号24の背中を後押しした。

 横田は「1打席1打席、必死に食らいついていくだけです」と話す。まだまだ、安泰の地にいるわけではない。「超変革」の象徴ともいうべき青年は家族の応援も力に変え、加速していく。

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