ゴメス豪快3ラン 体重減も飛距離増!
「ヤクルト2-6阪神」(29日、神宮球場)
ドッカ~ン!変身ゴメスのド迫力なスイングに超満員の神宮スタンドが波打った。2-1の五回。館山を粉砕する阪神新5番の弾道が左翼席上段に消えると、関東の虎党はもうお祭り騒ぎ。「いい形で走者がたまったので積極的にいこうと思ったよ。浮いたフォークをしっかり捉えられたね。打てる球をいいスイングで打ち返すことを意識しているんだ。それができて良かった」。値千金の3ランに金本監督は「京セラ(開幕2戦目)に続いて、いいところで打ってくれた」と、目を細めた。
ボスのために…助っ人の間でそんな一体感が漂っている。沖縄キャンプ中、金本監督主催の外国人選手親睦会が催された。ヘイグ、マテオ、ドリス、そしてメッセンジャーにゴメス。ここにオマリー打撃コーチ補佐も加わり、隠れ家のような閑静なステーキハウスで親交を深めた。石垣牛の極上ヒレ、伊勢エビ…。ダイエット指令を受けていたG砲にとっては少々酷なごちそうを食しながら、親分の昔話に花が咲いた。
オマリーコーチが聞いた。「カネモトさんはメジャーに興味はなかったのかい?」。実は米西海岸の球団から獲得調査はあったが、「食事が合わない」と固辞。現役時代の指揮官はそれほど「食」にこだわっていた。
ゴメスは日本食が「大好き」だ。オフに母国で121キロ→115キロの減量に成功したものの沖縄入り後、123キロまでリバウンド。金本監督から「やり直し」指令を受けてしまった。「きれいなフォームで走っているよ」。キャンプ恒例のリレーに志願参加したゴメスの軽やかなストライドに背番号6もご満悦だった。減量すれば持ち味のパワーは?単純にそう危惧されるが、除脂肪(じょしぼう)体重、つまり「脂肪を除いた体重さえ落ちなければOK」という。
「脂」の排除に成功した新5番はパワー&キレを兼備。はや「2本塁打、7打点」で17本塁打、72打点に終わった昨季からの挽回を期す。開幕3試合は12打数2安打も、内訳は3ラン+二塁打。長打力はノープロブレムだ。
「サングラス?寒い時期の神宮は風が目に入るんだよ」。ボスとの固い絆で結ばれた来日3年目。「超変身」を遂げたドミニカンの視界をさえぎるものは何もない。