金本監督待望 陽川、ヘイグ超えろ
陽川よ、ヘイグからレギュラーの座を奪ってみろ-。阪神・金本知憲監督(48)が13日、陽川尚将内野手(24)の定位置奪取を待望した。この日、プロ入り初めて出場選手登録された3年目の大砲候補は目下ウエスタン・リーグで本塁打、打点の2冠王。今季初打席で一発を放って中堅レギュラーを奪回した江越同様の活躍を見たい!
夕方4時15分にDeNA戦の中止が決まると、金本監督は曇天を見上げて言った。
「恵みの雨?どうだろう。夏場ならうれしいけど、やりたかった部分もあるよ。でもまあ、4月は選手は疲れるもんだしね。開幕直後からの緊張感もある。そういう意味では良かったのかもね」
オープン戦を含め、初の雨天中止だ。監督就任後、ずっと晴れ男ぶり?を発揮してきたが、選手の疲労度を考慮すれば、週の序盤のひと呼吸も悪くはない。現役時代の自身のコンディションを思い起こしながら、近畿地方を覆った気圧の谷をプラスに捉えた。
一方で「やりたかった」とこぼした理由の裏側には、期待値の高いチルドレンの存在がある。この日、荒木に代えて開幕から2軍調整してきた陽川を出場選手登録した。前日、鳴尾浜でウエスタン・ソフトバンク戦を観戦。目の前で同リーグ最多5号弾を放った3年目、24歳の成長に目を奪われた。掛布2軍監督の推薦、1軍コーチ陣の助言もあり「その手があるか」と前夜、昇格を決めた。この日の打撃練習ではケージ越しに目を凝らし、身ぶりで指導を交えた。
「好調をキープしているよ。じっくり見たけど、いいところはちゃんとできているし、良くなっている。2軍でしっかりやっていたんじゃないのかな。即スタメン?そこはまだ、さすがに…」
大抜てきは否定したものの、1軍に呼んだ以上は“お試し”ではなく、勝つための駒。
「戦力?もちろん、もちろん。基本は競争だから。競争」
チーム内バトルをあおり、“第2の江越”を期待する。開幕から中堅レギュラーを横田に譲りながら初打席の代打本塁打で定位置を奪回した背番号25をお手本にしてほしい。
「そういうものを見せてくれれば一番おもしろい。そうなれば、北條もうかうかしていられない。あまりいないタイプだから」
スタメンに加えたい希代の大砲だ。現実的にはまず内野の「控え1番手」を目指すことになるが、指揮官が期待するのはその上。北條を脅かし、さらにはヘイグからレギュラーを奪うくらいのインパクトを待望している。
陽川は「掛布さんから『頑張ってこい』と言われました。チャンスをつかめるように結果を出したい。がむしゃらにやるだけです」と意気込んだ。金本監督が就任会見で名指ししたスラッガーは、いまだ1軍実績ゼロ。初打席で虎将の心の琴線に触れれば、一気にスターダムを駆け上がる可能性も秘めている。