高山、新人離れ!早くも3度目の4安打
「広島9-12阪神」(22日、マツダスタジアム)
復調へ向けて、確かな兆しを見せた。2試合ぶりに先発復帰した阪神・高山が今季3度目の4安打。「今日はよかったと思う」。帰ってきた1番打者が、大量得点の導火線となった。
鬱憤(うっぷん)を晴らすように快音を響かせた。初回は投手内野安打。この一打をきっかけに3点を先制した。逆転を許した直後の二回1死も、再逆転への起点となる左前打を放った。
三回1死は中田に対して、粘って6球目のフォークを左中間三塁打。低めの際どい球をファウルにした後、生み出した巧打だった。
3打席連続安打を放った勢いは簡単には止まらない。八回2死は永川から4安打目となる二塁内野安打。15日の中日戦以来となる打率3割(・306)へ乗せた。
ヒーローインタビューでは5日・巨人戦以来の4安打について「たまたまです」と話した。だが、片岡打撃コーチは「(右)肘の状態が思わしくなかったけどね。4安打は3回目でしょ?新人とは思えない。大したもんだよ」とたたえる活躍だった。
この試合まで最近3試合は11打数1安打、打率・091。20日・ヤクルト戦は、不調で初めて先発から外れた。21日には同期で外野争いのライバルとなるドラフト6位・板山(亜大)が昇格した。
開幕から打線をけん引してきた高山でも立場は安泰ではなかった。逆境をはね返す奮起に、金本監督は「やっぱり競争意識があったんじゃないかな」と目尻を下げた。
ただ、ドラフト1位ルーキーは目の前のプレーに目いっぱいだ。「競争よりも自分のことで一生懸命です」。ようやく暗いトンネルの出口は見えた。一気に抜け出し、再び不動のレギュラーを目指す。