岩貞また無援…次こそ熊本に白星を!

 「広島3-2阪神」(23日、マツダスタジアム)

 またしても出身地の熊本に白星を届けることはできなかった。阪神・岩貞祐太投手が7安打2四球と制球に苦しみながらも、七回2死で降板するまで1失点。粘りに粘った雨中の105球だったが、味方打線の援護に恵まれず今季初黒星を喫した。

 「今日は自分の思い通りにストライクを取れることが少なかった」と言うように本調子には程遠かった。イニング終了ごとに捕手の梅野と話し合いを重ねて戦術を練った。序盤は球数が多くなった分、テンポアップで時間短縮に努めたが奏功しなかった。

 三回からは逆にペースを落とした。「ゆっくりと投げて、それがうまくはまって七回まで投げられた」と試行錯誤の連続で試合中の修正に成功。連続2桁奪三振は3試合で止まったが、ベテラン黒田との投げ合いにギリギリ踏ん張った。

 悔やまれるのは三回だ。1死から田中に左線二塁打、続く菊池にも中前適時打を浴びて失点。「好投手相手に先制されると、チームに流れを持ってくることができない。どうにか粘っていきたかった」と唇をかんだ。

 故郷はまだまだ日常生活を取り戻せるめどが立っていない。岩貞は被災地への発送が可能になった19日、レトルト食品を中心に約10万円分の食料を送った。実家にいる弟を通じて近所の人たちにも配ってもらった。「金額が全てではないですけど、少しでも助けになればいいと思います。必要に応じて、今後も力になりたい」と継続的な支援を誓う。

 この日の投球に関しては「課題、反省いろいろあるので次の登板に向けて克服したい」と自身を責めるが、防御率0・95はリーグ2位と抜群の安定感だ。香田投手コーチは「悪いなりに途中で修正しながら、あそこまでよく投げてくれた」と確かな成長を認める。

 「こういうコンディションの中でも、ある程度ゲームをつくることができたことはプラスにとらえて、次回頑張りたい」と前を向く背番号17。物資供給以外にも岩貞にしかできないことがある。次こそチーム、そして熊本の人々に白星と元気を届ける投球をする。

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