岩貞3勝目 阪神3戦連続完封勝ち

 「阪神2-0ヤクルト」(6日、甲子園球場)

 紡ぎ、つないだ魂のリレーが、46年ぶりの快挙を導いた。阪神・岩貞祐太投手(24)が7回4安打無失点の好投で3勝目。3連勝を導き、防御率、奪三振の2冠に躍り出た。八回はラファエル・ドリス投手(28)、九回はマルコス・マテオ投手(32)が締め、球団タイ記録となる3試合連続完封勝利を飾った。

 こん身の直球で歴史を呼び起こした。成長著しい岩貞が尻上がりの投球で7回を4安打無失点。チームを46年ぶりとなる3戦連続完封勝利に導いた。

 「立ち上がりはボールが高かった。不運なヒットが続いたので、粘っていかないといけないと思った。思い切って腕を振りました。すぐに点を取ってくれたので、絶対に守り抜こうと思いました」

 初回は、雨上がりのマウンドに苦しんだ。2安打と四球で、1死満塁。先制のピンチを招いたが、ここからが左腕の真骨頂だ。前回に続いてバッテリーを組んだ原口のミット目がけて、思い切り腕を振る。142キロで飯原を一邪飛。荒木も145キロで空振り三振。いずれも、伸びのある直球で窮地を断った。

 初回から三回まで71球と球数がかさんだ。四回以降は、「低めやコースをシンプルに考えて投げました」。

ストライク先行の省エネ投球で、きっちりゲームメークした。

 新たなルーティンが進化の秘密だ。岩貞はセットポジションに入る直前、必ず左腕をぐるりと一度回す。昨年11月に参加した台湾でのアジア・ウインターリーグから自然と始めたという。

 「台湾のときに始めたストレッチです。上から投げようと意識してから、やるようになりました。これからも続けます」

 突然、進化したわけではない。変化を恐れず、昨春から昨秋にかけて、投球フォームを安定させ、少しずつ成長の跡を刻んできた。

 「香田コーチと課題を持って、『達成したら次』というふうにやってきました。続けていくことが大事です」

 すさまじい数字が並ぶ。防御率0・65、毎回の9Kを加えた55奪三振は堂々のリーグトップ。岩貞本人は「始まってまだ1カ月しかたっていないですし、どうこう言えることではありません」と冷静に言うが、金本監督は成長に太鼓判を押した。

 「安定している。三振をバッタバッタ取れているわけではないけど、悪いなりに0点に抑えてくれる。頼もしい。怖がらず、捕手のサインを信じて投げていたしね」

 好投しながら伸び悩んだ白星もこれで今季3勝目。次回は13日・DeNA戦(横浜)に先発予定。投げるたびに、若き左腕が頼もしさを増していく。

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