板山 5番抜てきに応えた!V2点打
「阪神2-0ヤクルト」(6日、甲子園球場)
カクテル光線に背番号63が照らされる。プロ入り初のお立ち台からの景色。「ルーキーは高山だけじゃないので、応援よろしくお願いします!」。阪神・板山が放った鮮やかな先制打が、この日の試合を決めた。5番に座るドラフト6位の下克上男が、甲子園を沸かせた。
初回1死満塁。小川の真ん中低めに沈むカットボールを捉えると、打球は一、二塁間を抜けた。2走者が生還し、板山は一塁上で「ヨッシャ!」とほえた。三回には冷静に四球を選び、八回1死一塁は3番手のルーキから左前打。3日からの中日3連戦では10打数5安打と大爆発。主軸として、タイガースを勝利へと導いている。
「自分は(ドラフト)6位で入ってきて、高山があんなに活躍して…。こんなに早く、しかも5番で試合に出ているなんて想像できなかったです。一生懸命、練習してきて良かったと思いました」
たゆまぬ努力が板山を支えている。野球を始めた小学2年時から、1日24時間の大半を野球に費やしてきた。平日は学校から帰ると、夕方4時に自宅庭の“練習場”に集合。父・豊さんお手製のティー打撃用ネットで、夜9時まで打ち続けることもあった。板山は「父親がいつも一緒に練習をしてくれた。あそこが僕の原点だと思います」と振り返る。
そんな父、そして母・リサさんにプレゼントを贈った。「金沢1泊2日の温泉旅行」-。心に秘めていた感謝の気持ちをプロになった今、形にして伝える。姉・詩絵那さんと綿密に話し合い、決めた。チケットの日付は4月24日。愛する両親の結婚記念日だった。
豊さんは「うれしいですよ」と声を震わせる。「結果が全てだと思うので、頑張ってもらわないとね」。家族と共に歩んできた野球人生。板山は今、恩返しを始めている。
「毎日勝負なので」
試合後、クラブハウスへと抜ける通路でもまだ、板山の目はギラついていた。「慢心することなく、また頑張っていきたいです」。負けん気の強さが最大の武器。そんな熱いハートが、猛虎に勢いをもたらしている。
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