金本監督が激怒 野球がダメになる!

 「阪神1-3巨人」(11日、甲子園球場)

 阪神は今季から導入されたコリジョンルールで負けた。0-1の三回に脇谷の中前打で小林誠が本塁へ突入したが、大和の好返球で一度はアウトの判定。ただビデオ検証後、コリジョンルールが適用され、セーフの判定に覆った。これには金本知憲監督(48)は両手を上げて、怒りを表現。その1点が結果的に試合を左右し、今季2度目の3連敗。貯金はなくなり、勝率は5割に戻った。

 怒り、疑問を通り越したのだろう。金本監督は会見中、笑った。

 金本監督「あれをコリジョンと言われたら、ハハハ…。負けた後に言いたくないけれど。まあ、納得いってなかったから」

 2月の沖縄キャンプ中、虎将が「このルールは揉(も)めるぞ」と危惧していたことが伝統の一戦、しかも、勝負を分かつ局面で現実のものとなった。

 甲子園を埋めた4万3840人を敵味方なく湧かせたビッグプレーが、今季から採用された新ルール「コリジョン」によって幻となった。巨人1点リードで迎えた三回2死二塁。脇谷がメッセンジャーの変化球を捉えた打球が中前へ飛ぶと、これにチャージした大和が好返球。捕手原口は一度ラインをまたぐも走者の進入路をあけてバウンドを合わせ、スライディングした小林誠の右足にタッチ。嶋田球審は迷いなく「アウト」のジャッジを下した。このプレーに高橋監督が抗議に出ると審判団が集まり、原口が走路をふさぐ新ルールに抵触するのでは-とビデオ検証に委ねた。結果、判定は覆り、生還が認められた。

 納得のいかない金本監督がベンチを飛び出すと審判団に制止された。ベンチに戻る際に挙げた両腕に、めいっぱいの怒りを込めた。

 金本監督「ちゃんと説明してほしい。写真なり映像で、どこがどういう理由でコリジョンになるのかを。抗議?その説明も聞けないという状態だった。原口はバウンドを合わせただけでしょ。ベースもがら空きだったし…。次の機会のプレーがあるからちゃんと説明してもらわないと」

警告を受けた原口は試合後「まだ映像を見ていないので…」と言葉少なだったが、コーチ陣の怒りは収まらなかった。矢野作戦兼バッテリーコーチは「原口はボールを捕るために左足を動かした。決してブロックにいったわけではないし、あれでは野球がダメになる」と話し、高代ヘッドコーチは「あれがセーフなら野球が変わる。(ジャッジが)幼稚過ぎる」。香田投手コーチは「野球じゃなくなる」とさえ言った。

 金本監督「(危惧が)まさにその通りになってしまった。決勝点がね…」 

 セ初のルール適用後、さらに失点し、打線は田口の前に沈黙。七回満塁機で原口の押し出し四球による1点を奪うのが精いっぱいだった。「村山実デー」を名を打った夜、貯金0のむなしさ以上に後味の悪さだけが残った。

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