良太弾で連敗ストップ!De守護神撃ち
「DeNA2-3阪神」(13日、横浜スタジアム)
若手に負けてはいられない。2-2で迎えた九回1死、途中出場の阪神・新井良太内野手(32)が左翼席に豪快な勝ち越し2号ソロを放ち、連敗を3で止めた。これで、貯金0で迎えた試合は引き分けを含めて7戦負けなし。プロ11年目、経験豊富な男が値千金の一振りで、チームを3位タイに押し上げた。
高々とバットを放り投げた。迷いなく振り抜いた打球は左翼席へ一直線。心地よい感触を手に残し、ダイヤモンドを一周した。「芯でしたし、たくさんのファンの方のおかげであそこまで飛んだと思います」。試合を決める決勝弾を打った新井良は、満面の笑みを浮かべた。
同点で迎えた九回1死。マウンドにはDeNAの守護神で、今季7セーブを挙げている山崎康が立っていた。初球は外への変化球を見逃すと、2球目は133キロをファウルにした。カウント1-1。ストライクを取りに来た内寄り142キロ直球にフルスイングで応えた。
「すごくいいピッチャーなので、とにかく積極的にいこうと思って振りました」。山崎康とは今季初対決だったが、しっかりと結果を残した。北條の代打で出場した七回は井納の初球を打って遊ゴロに倒れていたが、積極性を消さなかった。
4月27日・巨人戦(甲子園)に続く2号ソロ。DeNA戦に限定すると、14年4月27日(横浜)以来だ。負けていれば、3月25日以来の借金を背負っていた。それだけに、チームを5位から3位タイに浮上させる値千金の一発を金本監督は「若手だけじゃないというところを見せてもらった」と称賛した。
今年8月で33歳を迎える。中堅の域に来ており、若手にスタメンを譲る機会は多い。指揮官も「同じ力なら若いやつを使うんだから。中堅は正直チャンスは少ない」と話す。それでも新井良の気持ちはブレない。「準備していくだけ。そういう立場の人間ですから」。
全ては結果を出すため。それは試合前の取り組みにも表れている。全体練習開始前、グラウンドに姿を出すと、あおむけになり、直径15センチほどの丸みを帯びたストレッチ器具に背中を乗せる。目的は腰のケア。14年オフに痛めた箇所だ。
「(ケガしてから)ずっとやっていることだよ。毎日ね。やれることは、しっかりやらないといけないから」。自ら好機を逃すことはしたくない。そのために細心の注意を払っている。
「あしたも若い人、中堅、ベテランが一致団結して頑張りますので、ご声援よろしくお願いします」。ヒーローインタビューで声を張り上げた。若虎だけじゃない。背番号32も超変革の一翼を担っている。