鳥谷意地のV犠飛!飛球特守で心機一転
「阪神3-2中日」(18日、甲子園球場)
阪神は18日、甲子園での試合前練習の予定を変更して異例の“フライ特守”を行った。金本知憲監督の指示で、本来なら早出組のフリー打撃が始まる午後2時10分からスタート。野手全員が守備に就いて15分間、捕球数は92本に及んだ。
西日が差し込む聖地に一つの輪ができた。その中心には平田チーフ兼守備走塁コーチ。約2分間の訓示の後、野手全員が各ポジションへ。15日のDeNA戦(横浜)では、内野に上がった飛球をお見合いしてアウトにできず、前日の中日戦では鳥谷敬内野手が遊撃後方の飛球を落球。それが異例の練習の理由だった。
前日の敗戦後、金本監督は「恥ずかしい。あり得ない。高校生に笑われるわ」と2試合続いたミスを厳しく振り返っていた。平田コーチが「一つのボールをみんなで追いかけるってことだよ」と話したように、特守には全員の気持ちを切り替える意味もあった。それに応えるように、鳥谷が意地を見せた。
同点に追い付かれた直後の四回1死満塁で、左翼に勝ち越し犠飛を放って2点目を追加。「昨日負けましたし一つ勝てて良かった」と鳥谷。前日のミスを取り返す一振りに、金本監督も「タイムリーでお返ししてほしかったですけど確実に1点取ってくれたので」と笑顔を見せていた。