球児 5連投OK「しなければ問題」
今季途中から救援に配置転換された阪神・藤川球児投手(35)が23日、ヤクルト、巨人と続く6連戦での連投も辞さない考えを明かした。石崎、ドリスらが2軍に降格する中、救援陣に不安のあるチームを救うため、人一倍責任感の強い男が立ち上がる。
今の打撃陣に、大量得点は期待できない。ロースコアの緊迫した展開が続くほど、救援陣には負担が掛かる。だが、今はこの男がいる。球児は「投げるのが仕事だから、4、5連投はしなければ問題でしょう。(ベンチに)入ってるんだから」と、チームのためにフル回転するつもりだ。
中継ぎ転向後の連投は、1341日ぶりにセーブを挙げた18日・中日戦からの3試合が最多。九回を締めた19日にはサヨナラ勝ちで勝利投手になり、20日・広島戦では延長十回を無失点に抑えてホールドを記録。ドリスや石崎らが2軍降格となり、救援陣は苦しい状況。だが、14日・DeNA戦から4試合連続で無失点投球を続けている球児が柱となれば頼もしい限り。
守護神・マテオがここ数試合、調子を落としている。ダブルストッパー態勢が敷かれているが、起用法については「僕が決めることではないでしょう」と前置きしながら、「(最後は)マテオが一番いいと思いますよ」と、今季10セーブ挙げている助っ人のモチベーションを維持するための気遣いを見せた。
ベテランはチーム状況にも気を配る。「野手と一緒です。経験(することが大事)だからね」。シーズン序盤から若手野手の積極的な起用が目立つ。投手部門でも2軍から上がってきた島本ら、若い戦力が一本立ちしていかなければならない。だからこそ、結果を求める選手たちの精神的な支えとなり、温かく見守っていく。
かつてのような150キロを超える直球はない。だが、幾多の修羅場をくぐり抜けてきた豊富な経験と投球術がある。火の玉ストレートを取り戻す旅路の途中ではあるが、骨身を削ってでも、チームの勝利のために任務を全うする。