【鳥越規央】パに立ち向かう週末ローテ

阪神先発5投手の今季成績
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 25勝25敗3分けの勝率5割、3位というポジションでセ・パ交流戦を迎える阪神。今回はここまでの成績を振り返りながら、交流戦の展望をセイバーメトリクスで占ってみましょう。

 昨年から18試合に削減された対戦ですが、6連戦が3週続く日程のため、先発投手陣の層の厚さがより影響する形になりました。昨年も先発の枚数が揃っていた阪神がセ・リーグで唯一勝ち越しましたが、今年は先発6人でよりしっかりと回せそうです。

 今年の日程の特徴的な点は、対戦相手のチームOPS(※1)が0・7を超える上位のチーム(ソフトバンク、日本ハム、西武)が週末(金~日)、下位(楽天、ロッテ、オリックス)が平日となったことです。

 その打撃好調なチームに対峙する週末ローテの投手は、以下の3人が予想されます。

 ◆岩貞 現在セ・リーグトップのFIP(※2)1・78を誇る。

 ◆岩崎 先週の巨人戦で今季初勝利。防御率は岩貞を上回る0・71。

 ◆メッセンジャー 過去3年の交流戦でのQS(※3)率が85・7%と、パ・リーグのチームに対して安定した成績を残している。

 この布陣で強力な西武、ソフトバンク、日本ハムの打撃陣を抑えることができるかが、交流戦を乗り切る大きなポイントとなるでしょう。

 ちなみに、6月12日(日)の日本ハム戦(札幌ドーム)では大谷が先発する可能性が高そうですが、その際、また「6番・ピッチャー」と“DH放棄”のオーダーを組まれた時、セ・リーグ代表の阪神としてはどうすればいいか…。

 その場合は、守備に一抹の不安を抱えているのですから、DHの権利はぜひ行使してください。

 きょう31日からの楽天との3連戦を分析してみます。先発の則本は奪三振やQS率などで高い数値を残し安定していますが、他の先発陣が苦しんでいる模様。早い回での打ち崩しが望まれます。

 この交流戦が、1位から6位まで5・5差の大混セから抜け出すきっかけとなることを期待しましょう。(統計学者)

 ※1 OPS 出塁率と長打率を足し合わせた数値。0.76以上が「良い」という評価。

 ※2 FIP 三振、四死球、本塁打のみで算出する防御率。

 ※3 QS 先発投手が6回以上投げて自責点3以内に抑えた試合。QS率は全先発登板のうちの割合。

 ◇    ◇

 鳥越規央(とりごえ・のりお) 統計学者。大分県中津市出身、46歳。野球統計学(セイバーメトリクス)を駆使した著書は『本当は強い阪神タイガース』(筑摩書房)『勝てる野球の統計学』(岩波書店)など多数。所属学会はアメリカ野球学会、日本統計学会など。JAPAN MENSA会員。

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