岩貞またまた満弾…セ界ワーストあと1
「中日8-3阪神」(3日、ナゴヤドーム)
3度目の悲劇だ。ショックのあまり、阪神・岩貞祐太投手はマウンドにしゃがみ込んだ。またしても満塁本塁打を被弾した。悔し涙に暮れた広島のマウンドから1週間。挽回を期したが、今季最短3回6安打6失点で、6敗目を喫した。
「長打がダメなところで打たれてしまうというのは、根本的に何か変えないといけないと思う。ボールの精度であったり、他のところも見つめ直して、ピンチに粘れるピッチングをやっていきたい」
試合後は冷静に言葉を紡いだが、悔しさは残る。1-1の三回、ビシエドに左前適時打され、勝ち越しを許した直後だ。2死満塁から内角を狙った直球が真ん中高めへ。完璧に捉えられ、左翼スタンドまで運ばれた。
満塁本塁打を浴びるのは6月3日・西武戦(甲子園)でのメヒア、同19日・ソフトバンク戦(甲子園)での城所に続いて、今季3本目。金本監督は「フォアボールが痛いわな」と制球難を嘆き「まだまだ取り返せるイニングだったけどね。痛いのは痛かったけど。満塁ホームランは」と痛恨のシーンを振り返った。
それまで、ストライクゾーンの厳しい判定に苦しめられていた。ただ、岩貞は「それが分かっていたらゾーンで勝負しろ、ということになる。自分でもそう思う。審判どうこうではない」と、言い訳しなかった。
1-1の二回、1死一塁ではバント失敗。同じ過ちを繰り返し、「仕事としてやらないといけない。流れを悪くしてしまった。そういうところを含めて、課題が見つかった」と猛省した。
5月まで4勝2敗、防御率0・88と圧倒したが、6月以降は4敗、防御率8・16。ここが正念場だ。次回は9日・広島戦(甲子園)に先発予定。前半戦最後の登板までに、復調のきっかけをつかみたい。
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※シーズン最多被満塁本塁打 リーグ最多は、1992年のヤクルト・西村龍次が記録した4本。岩貞はこの日で3本目を浴びて、リーグ記録へあと1となった。阪神では07年にボーグルソンが3本打たれている。