金本虎が熱視線 清宮級スラッガー、明秀学園日立の細川成也外野手
金本虎が熱視線を送る、清宮級のスラッガーが北関東にいた。阪神が明秀学園日立(茨城)の主砲兼投手の細川成也外野手(3年)を今秋ドラフトに向けリストアップしていることが4日、分かった。金本知憲監督(48)の東北福祉大時代の先輩でもある同校の金沢成奉監督(49)はかつての教え子、「巨人の坂本、阪神の北條以上」と評価する。生え抜きの大砲育成を主眼に置く金本阪神にとって魅力的な逸材だ。
得点力不足に泣かされ、最下位に低迷する阪神が今夏、将来の大砲候補に熱視線を送る。虎の編成部門が今秋ドラフトに向けて清宮級の長距離砲をリストアップしていることが分かった。
茨城・明秀学園日立でクリーンアップを任される細川は右投げ右打ちの投手兼外野手。今夏はエースとして甲子園出場を目指すことになるが、プロのスカウトが目を見張るのは大型スラッガーとしてのポテンシャル。前日3日の練習試合で2本塁打し、高校通算本塁打は61本。アーチの数もさることながら、阪神は早くからその非凡な飛距離に着目してきた。
かねて素材重視をうたう金本監督も、茨城に超高校級の大砲がいることは既に耳にしているという。そして何よりも虎との縁を感じるのは、同校の金沢成奉監督が東北福祉大出身で、金本監督の旧知の先輩であるということ。知名度こそまだ全国区とは言えないものの、高校生野手で屈指の評価であることは間違いなく、阪神が将来性を重視すれば上位で指名する可能性もある。
光星学院(現八戸学院光星)時代、チームを春夏8度の甲子園出場に導いた金沢監督は当時の教え子、巨人の坂本や阪神の北條、ロッテ田村を引き合いに、「(飛距離は坂本らと)比較にならない。こんなに飛ばす子は見たことがない。ナンバー1です」と言う。
細川が「清宮級」と評価を上げたのは、今年3月に岐阜で開催された招待試合「高校野球フェスタ」。6試合で5本塁打を放ち、うち1本は左中間への超特大弾。中堅122メートルある長良川球場のスタンドの屋根に乗せる、推定140~50メートルのアーチで天性の長打力を存分に披露し、細川の名が複数のメディアで踊った。
阪神の中尾スカウトは「細川君は体が強く、ケガをしたことがないと聞く。(広島の)新井タイプ」とも話す。経歴も特異で、中学時にジャベリックスロー(小中学生向けのやり投げ)で中学記録の77・42メートルを投げ、ジュニアオリンピック2位に入った。JOCの強化指定選手に誘われるなど、その強肩でも評価を上げている。
「生え抜きの大砲を育てたい」。就任以来、そんな理想を語る金本監督の目に強くとまれば、虎のリスト上位に名を連ねるはずだ。