「マツダオールスターゲーム・第１戦、全パ－全セ」（１５日、ヤフオクドーム）

　マツダオールスターゲーム２０１６は１５日に第１戦がヤフオクドームで、１６日に第２戦が横浜スタジアムで行われる。第１戦に８番・右翼で先発出場する阪神のドラフト１位・高山俊外野手（２３）＝明大＝と、原口文仁捕手（２４）が１４日、羽田空港から空路で福岡入りした。虎の黄金ルーキーは、掛布雅之２軍監督（６１）からのホームラン指令に応えるべく、晴れ舞台での活躍を誓った。

　普段より表情は柔らかかった。羽田空港の搭乗ゲートで取材に応じた高山は「いい意味で後半戦へつなげられたら」と夢に見た球宴へ思いをはせた。そして、師匠からの指令が脳裏に浮かぶ。最高のシチュエーションをイメージしながら、福岡へと飛び立った。

　「ホームラン…打てるに越したことはないのかもしれないですけど、それ以上にいろいろ吸収したいですね」

　ファン投票での球宴選出が決まった直後。鳴尾浜で、掛布２軍監督から驚きの「一発指令」を受けていた。

　「１年目から（球宴を）経験できる選手はそういないからな。楽しんでこいよ！ホームラン、狙ってもいいんじゃないか？」

　背番号３１は、７８年の球宴で３打席連続本塁打の離れ業を演じた。勝敗を度外視したお祭り試合に堅苦しいプレーはいらない。少しくらい背伸びしてもいい。それが想像以上の結果を生み出すことがある。ミスタータイガースの心意気を感じ、その期待に応える活躍を誓った。

　交流戦は１７試合で打率・２０４と一気に下降線をたどったが、７月に入り状態は徐々に良化。金本監督から指導を受ける「軸で振る」という意識を念頭に置き、ここ３試合は９打数６安打。「（調子が）上がってきたところです」と手応えも感じている。

　日本ハム・大谷が右手中指のマメをつぶし、望んでいた再戦はかなわなかった。「残念な気持ちはあります」と話すが、幼い頃からずっと憧れていた夢舞台。高山は「自分らしさ」と話す積極打法で挑む。