藤浪、4年連続2桁勝利への関門…ダル、マー君、同じ春夏連覇の松坂も成し得なかった
阪神・藤浪晋太郎投手(22)が江夏豊以来46年ぶりの高卒1年目から4年連続2桁勝利に挑む。過去の歴史をひもとけば、困難な記録であることは間違いない。ドラフト制後の達成者はわずか4人。近年では同じ高卒入団のダルビッシュ、田中、前田でさえ、成し得なかった。3年目まで2桁勝利を続けた松坂も、4年目は惜しくも6勝に終わっている。
1年目から3年連続最多勝を獲得した松坂の記録が途切れた要因は故障だった。4年目の02年は開幕6連勝を飾りながら、度重なる右肘痛に悩まされ、離脱を余儀なくされた。藤浪と松坂の共通点と言えば高校時代の甲子園春夏連覇、さらに、ドラフト1位でプロ入りし、プロ1年目からローテを守り続けているという点も重なる。昨季後半に右肩炎症を訴えた藤浪も、シーズン最後までコンディションを維持することが偉業達成に向けて1つの鍵となりそうだ。
こうした経緯からも161球を投じた試合中に、右肩が悲鳴を上げなかったことは幸いだったと言える。前半戦最終登板した7月8日広島戦(甲子園)。今季15試合中8度目の初回失点が指揮官の怒りを買い、雨の中、懲罰続投を命じられた。ぬかるんだマウンド、濡れたボールへの対応はいつも以上に体力を奪うという。疲労から八回はすっぽ抜けたボールが多く、表情もうつろのように映った。
さらに、この試合以前の6月24日・広島戦(マツダ)、7月1日・中日戦(ナゴヤドーム)の登板翌日はキャッチボールを控え、ノースロー調整だった。「マスコミの人がいなかったら、キャッチボールもしていなかったかもしれない」。昨季の右肩痛について後にそう語っており、再び右肩の状態が心配されていたことも事実だ。采配の是非はともかくその試合で再発していれば、チームにとって大きな痛手となっていたし、22歳の未来に暗い影を落としていただろう。そうした意味でも、今後はさらに慎重なコンディション管理が求められる。
「チームも自分も借金がある。返せるようにしっかりやりたい。しっかり勝たないと、2桁に届かない。2桁勝利が目標ではないですけど、1つの目安。しっかり頑張りたい」
球宴後、藤浪はそう決意を語った。前半戦はわずか4勝。首脳陣の期待を裏切り、自信も失いつつあった。4年連続2桁勝利へ残り11~12試合登板と考えればハードルは高い。しかし、昨季は後半戦12試合で7勝を挙げた実績がある。ローテを守り続け、自信を取り戻せば、快挙達成も見えてくるはずだ。(デイリースポーツ・杉原史恭)
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