鳥谷、復調の全打席出塁 光った選球眼2安打2四球

 「広島5-3阪神」(11日、マツダスタジアム)

 阪神は悪夢の逆転負け。だが、鳥谷の存在感が久々に際立った。2安打2四球の全打席出塁。敗戦後のベンチ裏は沈鬱(ちんうつ)ムードだっただけに、「(調子は)普通です」と話すにとどめたが、復調気配を感じさせた。

 同点の五回2死一塁。「いい形で打ち返せた」と、広島先発・九里の投じた136キロカットボールを左中間へ。「よくホームまで走ってくれた」と、一走の高山が好走塁で一気に生還し、一時勝ち越しとなる二塁打となった。

 失策が重なり、3-5と逆転された直後の八回先頭。チームのミスをカバーするかのように意地の右前打。福留が安打で続いたが、後続が決定打を欠いて得点には至らなかった。

 現役最多の四球数を誇るベテラン。この日も第1、第2打席ともに、追い込まれても際どい球をファウルにした。じっくり選んで2四球。通算917個目。打席の中で相手に放つ威圧感と抜群の選球眼が生み出している数字だ。

 後味の悪い負け方でカード勝ち越しを逃した。だが、「明日からまた頑張るしかない」。そう言葉を振り絞ったキャプテン。背中でチームを引っ張り、勝利へと導く。

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