メッセンジャー10勝目 阪神助っ投最多タイ5回目の2桁勝利
「阪神4-2中日」(12日、京セラドーム大阪)
お立ち台で発したヒーローの第一声が大観衆の爆笑を誘った。「キュウカイ(九回)、スイマセンネ」。2年ぶり完封を逃した阪神・メッセンジャーは、まず日本語で謝罪した。九回、ナニータの適時打で1点を献上してなお1死二、三塁で交代。降板時は悔しさをにじませたが、試合後は晴れ晴れとした表情でファンの大声援に応えた。
テンポのいい投球で八回まで散発3安打で無失点。最後はマテオの救援を仰いだが、8回1/3を2失点で2年ぶりの10勝目。「どうしても勝ちたい試合でしたし、攻撃陣もいい点の取り方をしてくれた。九回途中までしっかりと自分の仕事はできましたから、今はうれしい」とチームの勝利に納得顔を見せた。
四回先頭の遠藤から五回の先頭ナニータまでの4者連続を含む8つの三振を奪った。今季140奪三振とし、巨人・菅野を抜いてリーグ1位に躍り出た。それでも「個人の数字として成し遂げられたことはうれしいけど、最終ゴールは優勝。あくまでもそこを目指したい」と冷静だ。個人記録よりチームの勝利こそが最上の喜びだ。
阪神助っ人投手ではバッキー(64~68年)以来2人目となる5度目の2桁勝利を達成。「スゴイネ」と日本語で自画自賛し、続けて「点を取ってくれないと勝ちは付かないので」とチームメートへの感謝も忘れなかった。
8月13日は35歳の誕生日で最高の前祝いとなった。プロ18年目の助っ人は「モウ、オジサンデス」と再び自虐的な日本語で笑いを誘った。「それだけ長くやってきていることに自分としても誇りに思うし、まだまだ続けられると思う」ともちろん老け込むつもりはない。
金本監督も「これくらいは開幕当初から期待していた投手。2桁勝って、どうこうというのは彼に対してはないですね」と当然といった表情。メッセも「今日がこういう試合だったので、次は完封できるように頑張りたい」と向上心の塊だ。来日7年目で通算71勝目。荘勝雄(ロッテ)を抜き、外国人投手勝利数で単独6位となった右腕が、金本阪神の大逆襲を支える。