北條、恐怖の1番や 猛打ショー&132日ぶり弾で連夜の大暴れ

 「阪神5-2中日」(13日、京セラドーム大阪)

 恐怖の切り込み隊長だ。阪神の北條史也内野手(22)が2試合連続で「1番・遊撃」でスタメン出場。2打席連続二塁打を放つと、五回の第3打席は左越えに2号ソロ。今季6度目の猛打賞をマークした。これで先発1番での打率は驚異の・524。さあ、同一カード3連勝や!

 まさかのスタンドインに、北條は目をパチクリさせた。全速力で駆け出し、二塁ベースを回ったところで、ようやくスローダウン。打った本人が誰よりも驚く値千金の一発だ。

 「イニングの先頭打者だったので、出塁することを一番に考えて、真っすぐの甘い球だけを待っていました。ホームランになると思っていなかったので、びっくりしました」

 2点リードの五回、カウント3-1。ジョーダンが投じた真ん中低め139キロをすくい上げ、左翼席へ運んだ。4月3日・DeNA戦(横浜)以来、132日ぶりのプロ2号。ベンチに戻ると、金本監督も満面の笑みだ。

 「しっかり腰を使って振れば、バットがダウンに入ってくれば、ホームランが出るよ」

 この日の早出練習でそう指導を受け、本塁打を予言されていた。「前に突っ込まずいい形で打てました」。指揮官の熱意に最高の形で恩返ししてみせた。

 初回は左翼線二塁打で出塁。打線に火を付け、野選で先制のホームを踏んだ。続く二回は右越え二塁打。2試合連続スタメン8試合目の遊撃守備でも華麗に魅せる。二回、1死一塁。堂上の遊撃右への打球を軽やかにさばくと、二塁ベースを踏み一塁へ。併殺を完成させ、制球に苦しむ先発青柳を盛り立てた。

 「これだけ試合に出られるなんて、思っていなかったです。ショートは無理、セカンドには西岡さんと大和さんがいる。サードにはヘイグがいた。僕にはこれといった特徴もないので…」

 スタメン出場が激増した6月下旬、素直な心境を明かした。開幕1軍こそ果たしたものの、いつも2軍降格の危機感と隣り合わせ。「あれが大きかった」というプロ初本塁打で生き残ると、サード、セカンドから、徐々に存在感を示す。開幕前は想定外だったショートまで-。打撃だけではない。内野守備も上達の一途だ。コツコツと日々の努力を重ねて、居場所を見いだした。

 「トリの代わりというところですごく荷が重いと思うんですけど、そういう中でそういう打撃ができるというのがおもしろい存在」

 金本監督も22歳の才能にほれ込む。この夜4打数3安打で猛打賞は6度目。トップバッターでは6試合21打数11安打、打率・524。堂々たる働きで「もっとホームランもツーベースも打ちたい」と力強く言う。可能性は広がるばかり。1番遊撃北條が、ハツラツとグラウンドを駆け回る。

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