メッセンジャーぼう然5失点 セ1位144Kも…阿部に痛恨悲弾
「巨人6-3阪神」(19日、東京ドーム)
打たれた瞬間だった。打球の行く先を見ることはない。重くのしかかる勝ち越し2ラン。G党のオレンジタオルが揺れる中、阪神・メッセンジャーはマウンド上でガックリと肩を落とした。
「今日はスライダーが高めに抜けたり、ストレートが真ん中寄りに入ったりするボールが多く、コントロールに苦しむピッチングになりました」。球場から引き揚げる道中の足取りは重たく、表情は暗い。精彩を欠いた投球を反省するかのように、必死に声を絞り出した。
落とし穴は五回1死一塁だった。中谷の一発で追いついた直後、阿部に141キロ直球を右中間席に運ばれた。「インコースを狙ったところで真ん中に入って打たれてしまった」。甘い球を敵の主砲は逃してくれなかった。
立ち上がりから“らしさ”を欠いた。初回、二回と連続失点。ボールは高く浮き、持ち味の角度のあるボールもなかった。だが三、四回はいずれも無得点。香田投手コーチは「修正できたと思ったんだけど…」と話したように立ち直りかけていた。それだけに、悔やまれる被弾だった。
通算144奪三振でリーグトップに立ったが、これで今季8敗目。そのうち半分が巨人で、東京ドームでは白星のあと3連敗。金本監督は「メッセはジャイアンツに何かタイミングを合わされているというか、分が悪いよね。この何試合か」と指摘。Aクラス入りのためにも復調は不可欠。見つかった課題を次回登板までに克服する。