上本、救世主ダ~ン 昇格即同点1号に金本監督「うえぽんらしさ出してくれた」
「巨人1-4阪神」(21日、東京ドーム)
完璧に捉えた。嫌な流れを阪神・上本が振り払った。「しっかりと投手の投げた球に対応するだけだと思っていた」。1軍昇格即スタメン出場で、チームを救う価値ある一発。背番号4が、反撃ののろしを上げた。
1点ビハインドの八回2死だった。相手は好投を続けていた高木。昨季は8打数1安打、打率・125と分が悪かったが、高めに浮いた123キロスライダーをジャストミート。今季初アーチを左中間席に突き刺した。「調子うんぬんではなく、その時、その状況でどうやってやれることをやれるか」。余韻に浸ることなく、次へと視線を向けた。
昨年8月29日・ヤクルト戦(甲子園)以来の本塁打。前日の試合後、「中堅がしっかりとしないと」と奮起を促した金本監督を「うえぽんらしさを出してくれた。アクロバットにタイミングを取って」とうならせた。二塁守備でも六回2死一、二塁で難しい村田のゴロをアウトにするなど、攻守で躍動した。
真っ黒に日焼けしたほおが、ファームでの奮闘を物語る。今季は3度の出場選手登録抹消を経験。北條ら若手の台頭や腰痛もあったが、腐ることはなかった。出場機会を増やすため、三塁や外野に挑戦。打撃でも中学以来だという4番で試合に出たりもした。
「打順とかは関係ない。やれることをしっかりやるだけ」。虎視眈々(たんたん)と巻き返しを狙っていた選手会長。上位浮上へ、頼れる男が1軍に帰ってきた。