メッセ猛打賞!虎助っ人02年ムーア以来、長男誕生日に贈った

 「DeNA3-9阪神」(25日、横浜スタジアム)

 価値ある白星に愛息の笑顔が重なる。負けられない理由があった。チームへの思いと父としての責任感。「ラッキーなことに3打席とも甘いボールが来てうまく打ち返せたよ」。6回1失点の投球と勝利を導くチーム唯一の3安打。阪神ランディ・メッセンジャーの強さが光った。

 「あそこ(打席)に立てばピッチャーであり、バッターでもある。自分にもチームにも助けになるから良かった」

 胸を張った来日7年目、199試合目での初の猛打賞。すべて得点に絡んだ。二回は2死一塁からの右前打で北條の先制打につなげ、四回は2死無走者から中前打で出塁。そこから高山の満塁弾が生まれた。さらに六回は先頭で左中間への二塁打を放ち、高山の2点適時二塁打で6点目のホームを踏んだ。

 「(3安打は)高校の時以来だね。もうこんなことはないと思うよ」とニヤリ。阪神投手の猛打賞は06年の福原以来10年ぶりで、阪神の外国人投手に限れば、02年のムーア以来14年ぶり。金本監督も「今日は打つ方で貢献してくれたから」と称えた活躍。勝利への執念の表れだった。

 「今日は息子のローム(長男で4人兄弟の3番目の子供)の5歳の誕生日だったから、絶対にいいピッチングをして、いい誕生日プレゼントにしてやろうと思ってマウンドに上がったんだ」

 チームとして3連戦3連勝を狙った一戦は、メッセンジャー個人としても重要だった。甲子園での登板時、いつもスタンドから応援してくれる長男の記念日。二回無死一、三塁を無失点に抑えるなど、横浜スタジアムでは3年ぶりの勝利。「ウイニングボールを帰ってプレゼントできるよ」。狙い通りのプレゼントをつかみ取った。

 勝利数はトップに1勝差の11勝目で、奪三振もトップに2差の3位。2冠も視野に入るがチームの勝利が最優先。「1試合1試合、勝つためにやっていきたい」。次回は中5日で31日の中日戦と見られていたが、93球での降板で中4日で30日の同戦に挑む可能性も考えられる。いずれにしても、チームを支える右腕に不安はない。

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