高山、痛恨失策…先制献上招く後逸 バットでも5戦ぶり無安打で阪神5位転落
「阪神2-5ヤクルト」(27日、甲子園球場)
阪神・高山俊外野手は歩みを止めた。自らのミスを悔いて猛省し、視線は下がる。2秒、3秒…。そして必死に言葉を絞り出した。「なんというか、本当に…。単純なミスだったんで、引きずらないようにしていたけど」。ゴールデンルーキーに試練が訪れた。
落とし穴は初回に待っていた。無死一塁。バスターエンドランを仕掛けてきた三輪が左前へ放った打球に対し、前進して捕球しようとしたが、捕り損なって後逸した。それぞれの走者に進塁を許し、ピンチは拡大。先制点を招く原因となった。
今季6失策目。中村外野守備走塁コーチは「見切りが早い。野球はそんなに甘くない。『ボールはそんなに軽くないよ』と(高山に)言った」と苦言を呈した。
負の連鎖はバットにも及ぶ。3試合連続で打点を稼いでいた高山だがこの日は4打数無安打。初回は左飛に終わると、三回は右飛。六回は空振り三振を食らうと、八回は投ゴロに仕留められた。
8月21日・巨人戦(東京ドーム)以来、5試合ぶりの快音なし。「後の打席もうまくいかなかったんで、本当に悔しいです」と唇をかみしめる。金本監督も「(失策を)取り返そうとして力んでいたのか」と話しつつも「一つの経験。大事にしてほしい」と巻き返しに期待した。
この日の敗戦で、5位転落。3位・DeNAは勝利したため、ゲーム差は2・5にまで広がった。もう負けられない。勝ちにつながる一打を放つため、苦い思いを糧にする。