金本監督も同席で新FA戦略など議論 異例!試合前に4時間拡大編成会議
「阪神2-5ヤクルト」(27日、甲子園球場)
阪神が27日、西宮市内の球団事務所で拡大編成会議を開き、球団幹部とともに金本知憲監督(48)も出席した。約4時間に及んだとみられる来季に向けた重要会議ではFA(フリーエージェント)や外国人、ドラフト戦略、構想外選手など議題は多岐にわたった。金本阪神2年目に向けた戦力整備の議論が本格化してきた。
ヤクルトに連敗を喫したこの日、試合前に金本阪神2年目へ向けた重要会議が開かれていた。球団事務所でテーブルを囲んだのは四藤球団社長、高野球団本部長らと各部門の責任者、そして金本監督も議論に加わった。FA戦略、新外国人、ドラフト構想、戦力外選手…議題が多岐にわたった拡大編成会議は約4時間に及んだ。
最終的な戦略を煮詰める作業はまだ先になるが、今秋オフの戦力補強へ、さまざまな想定で準備を進める段階に入った。「超変革」初年度は野手の補強を最低限にとどめるなど「若手育成」を重視した金本監督の強い意向が通った形だが、今オフの戦略は様相が一変する可能性がある。
安打製造機マートンの代役として期待されたヘイグを獲得したものの、不発に終わった。昨オフのFA補強は中継ぎ左腕の高橋のみにとどめたが、ある球団首脳は「野手もFA(補強)を考えていくでしょう」と語る。指揮官は常々「(若手野手は)若いから(優先的に)試合に出ているのではない。(起用されて)結果を出していかなければ、当然チャンスは減っていく」と話してきた。打線の軸と期待された鳥谷、ゴメスが指揮官の想定通りの活躍を見せていれば若手“試用”の猶予もできるが、主軸の低迷が想定を超えれば補強戦略を変えざるを得ない側面もある。
金本監督は一貫してやみくもな補強には否定的だが、1シーズン指揮をとってみて痛感する不足要素が「ある」と言う。8月は東京、横浜など遠征先でフロント陣と度々膝を突き合わせて議論を重ねてきた。既にリストに挙がるFA取得者で理にかなった補強ポイントに合致すれば、野手でもゴーサインを出すことになるだろう。
外野手で言えば3~5年後に主力として確実にメドが立ちそうな選手は高山のみ。今季首位打者争いを演じる福留の来季再契約は確実だが、39歳という年齢を考えれば代役のメドをつける必要もある。引き続き「育成」を主眼に置くためにも、球団内ではFAで中堅野手を補う必要性をとなえる声は大きい。
「秋、さみしい戦いにならないように…」。この夜、指揮官はそう言った。3位DeNAが巨人に勝ち、ヤクルトに連敗した虎が半歩後退。勢いが持続しない戦力…そんな悩みは120試合を超えても解消されていない。来週、電鉄本社で行われる坂井オーナーへの定例報告会でこの日の会議内容が伝えられる。新たなFA戦略が報告の要になるかもしれない。