中谷、甲子園1号  悔し4発全て空砲「勝たないと」

 「阪神3-5DeNA」(2日、甲子園球場)

 念願の本拠地第1号はバックスクリーンに突き刺した。阪神が3点を追う五回の攻撃、先頭ゴメスがソロを放った直後に6番・中谷も続いた。カウント2-2からファウルで粘った末の7球目、左腕石田の134キロ直球を仕留めた。

 8月19日・巨人戦(東京ドーム)以来、自身10試合ぶりの4号ソロ。プロ6年目、通算154打席目での甲子園初アーチ。「追い込まれていたし、塁に出たいという気持ちが一番強かった。それがああいう形になって、よかったです」と納得の一撃を振り返った。

 2者連続弾は5月28日・巨人戦(東京ドーム)の原口とヘイグ、8月5日・ヤクルト戦(神宮)のゴメスと伊藤隼に次いで今季3度目。一時は1点差まで追い上げたが、DeNA投手陣の完全攻略には至らず、今季ワーストの6連敗を喫した。

 しかも、中谷が一発を放った試合は4戦全敗。この日も負のデータを覆すことができず、「甲子園で1本打ちたかったですけど、試合には勝てなかった。勝てるようにチームに貢献したいです」と話す表情は険しかった。

 前日1日は2軍戦の試合前練習で約1時間の特守を敢行。8月31日・中日戦(ナゴヤドーム)で中前打に対するチャージが甘く、決勝点を献上したミスを意識した練習を繰り返した。鳴尾浜まで出向き、ノッカーを務めた中村外野守備走塁コーチは「変わろうという意識は見えてきている」と姿勢を評価する。

 この日は七回の第3打席もカウント2-2から中前打。3点ビハインドの九回2死での第4打席はフルカウントから四球を選んだ。それでも「試合に勝たないと意味がない」と語気を強める。「明日はしっかり勝ちに貢献できるように、バッティングでも守備でも走塁でも全部しっかりやっていきたい」。1球1球に食らいつく背番号60の全力プレーが次こそチームを勝利に導く。

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