鳥谷、12年ぶり三塁で先発 逆転CSへ継続起用も
「阪神2-3DeNA」(3日、甲子園球場)
阪神の窮地にキャプテンが先発ラインアップに戻ってきた。8月11日・広島戦(マツダ)以来、18試合ぶりのスタメン出場。しかも、ルーキーイヤーの04年以来、12年ぶりの三塁守備。試合開始前、場内アナウンスで「6番、サード・鳥谷」とコールされると、甲子園のスタンドから大歓声が沸き起こった。
見せ場はプレーボール直後だった。一回表、先頭打者の桑原。1ボールからの2球目、引っ張った打球が三塁を襲った。決して簡単なゴロではなかったが、バウンドを合わせて捕球。流れるような動きで一塁へ送球し、1アウトを奪った。この日、唯一の守備機会でチームを盛り上げた。
04年9月11日・横浜戦(横浜)以来、4375日ぶりとなる鳥谷の三塁起用に金本監督は「何回も話をして。前向きというか、バッティングの調子は戻っていないんだけど、本調子じゃないけど、こういう時期なので」と説明。途中出場が続いた8月12日・中日戦(京セラドーム)以降の17試合で19打数3安打と結果は出ていないが、本人と話し合いを重ねた末の決断だった。
最近の試合前練習では三塁から遊撃、さらに二塁でも打球を受けていたが、この日は三塁守備だけで切り上げていた。また、現役時代に三塁を守った片岡打撃コーチからアドバイスを受ける場面も見られた。
試合後の鳥谷は「準備というのは別に。(13年の)WBCでもやっていましたし」と話し、見える景色などの違和感を問う声にも「ポジションは自分で決めることではないので」と特に問題視することはなかった。
課題の打撃は五回の第2打席で中前打を放ったが、あとの2打席は三振に倒れた。それでも指揮官は「しばらくはいきます」と今後も三塁で継続起用する方針を明言。残り17試合。逆転CS進出には鳥谷の力が必要だ。