福留、9号ソロ空砲 会心の一発も試合後は無言
「阪神2-3DeNA」(3日、甲子園球場)
笑顔が苦悶(くもん)の表情に変わった。阪神・福留が七回に勝ち越しの9号ソロ。停滞ムードを打ち破り、勝利へ機運を高めた。だが、結末は残酷だった。八回に逆転され、九回1死一塁は遊ゴロ併殺で最後の打者となった。
13年の阪神移籍後、初めて経験する7連敗。自力CS進出も消えた。ベテランは報道陣の問いかけに応じず、険しい表情のままクラブハウスへ向かった。
チームを勇気づける一発だった。六回は能見が同点を許して降板。攻撃では北條が走塁で守備妨害を犯して金本監督が猛抗議。判定は覆らず高山が三振ゲッツーに倒れた。最悪の展開だった。
迎えた七回無死。勝負どころでベテランの嗅覚が働いた。4球目から3球連続ファウル。タイミングが合い始めた7球目。山口の内角高め146キロを、腕をたたんで捉えた。
ライナーが右翼席に突き刺さる。12日・中日戦以来の本塁打。試合中は広報を通して喜びを口にした。
「能見もコーディ(サターホワイト)も頑張って投げてくれていたので、打者でなんとかしたいと思っていました。結果としては一番いいものが出せてよかったです」
だが、会心の一発でも悪循環は断ち切れていなかった。勝利を追い求める福留にとっては、ショックが大き過ぎる敗戦となった。