金本監督「言いようがない」 甲子園G戦開幕9戦未勝利…田口に5敗目…
「阪神2-3巨人」(7日、甲子園球場)
阪神の2年連続シーズン負け越しが決まった。巨人・田口とは今季6度対戦し、1度も勝てず5敗目を喫した。これで今季甲子園での巨人戦は開幕から9試合未勝利。金本知憲監督(48)は「言いようがない」と嘆いた。
金本監督は嫌悪感を露骨に表情に出した。どうしても、甲子園で巨人に勝てない。敗戦後の会見でそんな質問が出ると、眉間のシワが一瞬で深くなった。
「それについては、言いようがないよ」
苦手田口に要所を締められた。五回に高山の適時打で反撃するも、あと1本が出ず今季天敵左腕に6戦5敗。7回1得点で対戦防御率を1・67まで下げられた。これで開幕から甲子園で対G戦9戦8敗1分け。今回の対戦を前に「甲子園で巨人に未勝利?それは、あきまへん」と、関西虎党の苦渋を代弁するように雪辱を期したが、屈辱の上塗りでは言葉も出てこなかった。
「簡単に言えば得点圏で向こうに3回タイムリーが出て、こっちは1回。そんな感じの試合だった。序盤いい当たりが正面を突いていたりしたけど…。ただ好機で1本がね…」
初回は阿部に、三回も再び阿部に適時打を浴び、主導権を握られた。五回は阿部のチャンスメークでギャレットに適時打を許し、3失点。4番1人に計5安打を喫し、本拠は阿部劇場と化した。今季甲子園で阿部に21打数12安打、打率・571とやられ放題。完全にカモにされている惨状に、指揮官は「攻め方を考えないと…」と、悩ましげに言った。
失点につながらなかったものの、前夜に続き、守備のほころびも出た。六回に大和が長野の二ゴロを捕球できず、八回はゴメスがギャレットの一塁左へのゴロをはじいた(いずれも失策)。対照的に無失策の巨人にはビッグプレーが飛び出す。八回2死二、三塁で鳥谷が放った右中間への飛球を長野にダイビングで好捕され、逸機。金本監督は「抜けたと思ったけど…。結局、球際の執念で捕られてしまった」と、ため息をつくしかなかった。
129試合を終え、55勝71敗3分け。2年連続のレギュラーシーズン負け越しが決定した。「今さらだけれど…」。金本監督の言葉に疲労感がにじむ。甲子園の巨人戦は残り4戦。逆境で意地を見せるしかない。