金本監督「空気感を変えられない俺が一番悪い」 古巣Vも虎は大敗…猛省
「ヤクルト9-1阪神」(10日、神宮球場)
阪神が大敗を喫し、4連敗。これでヤクルト戦は6連敗となり、夏の長期ロード明けは1勝11敗となった。金本知憲監督(48)は、消化試合のようなチームの空気感を変えられないことを「俺が一番悪い」と自らを責めた。東京ドームでは古巣広島が25年ぶりのリーグ優勝を決めた。
古巣、そして生まれ故郷の球団でもある広島が25年ぶりに栄冠を勝ち取った夜、金本監督は就任以来一番の怒りで声を震わせた。
「うちのチームの一番悪いところが出た。その空気感を変えられない俺が一番悪い。伝統的にある空気感…勝負どころであろうと、消化試合みたいな空気でやってしまう。集中力を欠くという、執念がないと言うか…」
山田に3被弾を許すなど、1-9の惨敗。失策数は3も、記録に表れない攻守のミスの連鎖…。CS出場へわずかな可能性にかける立ち位置。そして何よりも、この状況下で左翼席を埋めた虎党の声援に応えるためにも欠いてはいけないものがあったはず。矢野作戦兼バッテリーコーチは「ファンに申し訳ない…」と詫(わ)びた。
中村外野守備走塁コーチは、初回に板山と高山が雄平の飛球を譲り合った拙守を「未熟さが出た」と振り返った。三回には原口が雄平のゴロをはじき、四回には西田の邪飛を坂本が落球。七回は西浦の打球を中谷が本塁へ暴投…。指揮官は八回に円陣を組み士気を促したが、虎に勝ち気、生気はなかった。
「そのあたり(執念)ばかり言ってきたけど、選手が変わろうとしなければ、どうしようもない」。試合後の会見で金本監督はやるせなさをにじませた。
対広島は6勝17敗。「超変革」元年はセ覇者の快走を許した当事者でもあった。V逸の責任を感じながら、勝者と自軍の差を「打力と足」と明確にした。
「カープの選手は皆打ったし、走塁もうまかった」。昨秋から走塁改革を命題に選手の意識を高めてきたが、自ら追求する理想的な野球を古巣にやられてしまった。攻撃的に足を絡めた戦術は、金本阪神こそが目指すべきところでもあった。
「ウチは足の速い選手が(常時)試合に出られなかった。広島は走れる選手がずっとレギュラーを張っていた。丸、菊池、鈴木、田中…そういう選手が4人いたら、大きい」
言い訳ができないほど大差をつけられた。潔く、技術そして精神面の課題と向き合い、雪辱を期すしかない。