金本監督絞った!虎ドラ1は大学生右腕 創価大・正義or桜美林大・佐々木
阪神が今秋ドラフトの1位候補を大学球界のツートップ右腕に定めたことが12日、明らかになった。今季、盤石と期待された先発ローテーションの4本柱が崩れたこともあり、先発投手の整備は金本阪神2年目の大命題。創価大・田中正義投手(4年・創価)と桜美林大・佐々木千隼投手(4年・日野)の2投手に照準を定め、競合覚悟で指名シミュレーションを固めていく。
今秋ドラフトで虎が1位指名する「恋人」が大学生投手に決まった。球団内には高校生投手の原石を1位で指名し、ロングスパンで育成を望む声もあったが、この日までに方針が統一された。最上位で入札を目指すのは、来季先発ローテーションの一角を任せられる即戦力投手、創価大の田中と桜美林大の佐々木だ。金本阪神2年目の来季を勝負の年と位置づけ、大学球界のツートップ右腕に照準が定められた。
今季最後の東京遠征となった前夜、ヤクルト戦の後に金本監督と四藤球団社長、高野球団本部長が都内で会食。来季へ向けた補強構想の中でドラフト戦線も確認され、田中、佐々木両右腕の名前が挙がったとみられる。今夏甲子園を沸かせた履正社の寺島、横浜の藤平ら超高校級もこれまで指名上位に挙がっていたが、先月27日の拡大編成会議で検討が重ねられ、最終局面で2投手に絞り込まれた。
球団幹部の1人はこの日、「(ドラ1は)高校生よりも大学生」と、方向性を明確にした。今季を振り返ればウイークポイントが一部門に限定されることはないが、下位低迷の元凶が投手力にあったことは明白だ。
盤石の4本柱と期待された先発陣の中で及第点はメッセンジャーのみ。エースの座を狙った藤浪は低調から脱却できず、能見は全盛期の力が影を潜める。岩田に至っては春先に表舞台から姿を消し、来季は中継ぎで再起を期す可能性もある。第5の男と期待された岩崎は伸び悩み、横山はケガに泣く。岩貞、青柳の台頭で何とかローテ崩壊を免れたものの、先発の台所は心もとない。
球団のドラフト戦略は夏以降変化を見せた。鳥谷の不振を受けて、後継者の内野手を1位指名する策も練られたが、北條の成長で先発投手に一本化。逆襲へ向け、最終的に高校球界のダイヤの原石を回避し、完成度の高い大学生投手へ完全シフトした裏には、そんなチーム事情がある。
1位指名は田中か佐々木か。金本監督の意向を反映する形でスカウト陣が2投手をマークし、ドラフト当日まで議論が重ねられる。