高山U23侍入りへ 10月メキシコW杯出場で“海外武者修行”だ
「阪神6-8DeNA」(15日、甲子園球場)
阪神・高山俊外野手(23)が10月28日からメキシコで開催される「第1回U-23ワールドカップ(W杯)」に出場する侍ジャパンの候補選手にリストアップされていることが15日、明らかになった。選出されれば来季に向けて、海外武者修行で牙を研ぐことになる。この日のDeNA戦(甲子園)では三回に一時は逆転となる右中間6号2ラン。競り負けて中日と並ぶ同率最下位に転落する中、期待のホープは存在感を示した。
黄金ルーキーが、日の丸を背負う。10月28日から始まる「第1回U-23ワールドカップ」。戦いの舞台は、海の向こうメキシコだ。球団は、NPBへの推薦名簿に高山の名を記した。さらに板山、北條も同じくリストアップ。「金本チルドレン」が代表候補選手に入った。
高山は今季、ここまで125試合に出場して打率・277、6本塁打、60打点。新人らしからぬ巧みなバットコントロールでヒットを量産し、8月20日・巨人戦(東京ドーム)から20試合連続で3番に座っている。12球団トップの得点圏打率・392、さらに12度の猛打賞は長嶋茂雄の新人記録14度にあと2。勢いは、とどまるところを知らない。
この日はDeNA戦(甲子園)に「3番・左翼」で先発出場し、1-2の三回1死一塁。先発・石田の外角低めのスライダーを捉え、一時逆転となる6号2ランを右中間席へ突き刺した。8月25日・DeNA戦(横浜)以来、15試合ぶりの一発は左投手からの初本塁打。また通算安打数は127安打となり、新人球団歴代2位・赤星憲広の128安打にあと1と迫った。
「いい球がきたら思い切ってスイングしようと心掛けていました。スタンドまで届いてくれてよかったです」
だが、敗戦後の表情は暗い。3位・DeNAとは7・5ゲーム差に広がり、中日と並ぶ最下位タイにまで沈んだ。主軸の責任を全身に感じている。もっと、もっと成長しなければいけない。「球界を代表する選手」を目標に掲げる背番号9にとって、国際舞台は成長できる大きなチャンスだ。
日大三高では11年夏の甲子園で全国制覇を経験。明大に進学すると、4年間で東京六大学のリーグ通算安打記録を48年ぶりに塗り替えた。大学4年時には「2015年夏季ユニバーシアード野球日本代表」に選出され、日本代表を経験。今回U-23のメンバーに選ばれることになれば、その時以来となる。
「ホームランはホームランでいいですけど、それ以上に課題があるので。僕はそっちをやっていかないといけないと思っています」
今は、目の前の一戦を全力で戦っていく他に道はない。飛躍への階段は一段、一段。その先に、20年東京五輪の晴れ舞台がある。