阪神、打撃部門すべて最下位で4年ぶりBクラス 金本監督「練習するしかない」

 「阪神3-6DeNA」(17日、甲子園球場)

 阪神が逆転負けで中日と並ぶ最下位へと逆戻り。4年ぶりのBクラスが確定し、CS進出の可能性が完全消滅した。打率、本塁打、得点、盗塁と、チームの攻撃部門の数字すべてリーグ最下位で迎えた終戦。金本知憲監督(48)は「練習するしかない」と必死に前を見据えた。

 金本監督のまばたきがとまった。併殺。誰もがそう思った次の瞬間、黄色いスタンドが色を失った。八回の守り。1死一塁から宮崎のゴロが二塁正面へ飛んだ。これを上本がグラブに当てることもできず、打球は右前へ。1死一、三塁とピンチが広がり、決定的な2失点を招いた。2点を追う七回に高山の適時打で1点差に迫っていだけに、痛恨のEランプ…。CS出場権の3位が完全消滅し、中日と並ぶ最下位に転落。終戦の鐘が鳴った。

 金本監督「あれが決勝点ではないけれど、痛い…。あそこでチェンジと2点入るのとでは…。見ての通り。練習するしかない」

 このエラーを加え、シーズン失策数は92を数えた。これはセ・リーグワーストで、暗黒時代と揶揄(やゆ)された野村政権の00年に記録した101失策に迫る数字だ。V逸、CSを逃した一因が守りの拙さにあることは疑いようがない。

 超変革初年度は誤算だらけのシーズンになった。攻撃面はのきなみ下位に沈み、現時点で打率、本塁打数、総得点、そして盗塁数もリーグワースト。機動力の改革を一大テーマに発進したが、ここまで136試合、盗塁の成功数は優勝を決めた広島の半数にも及んでいない。

 金本監督はシーズン前に「福留、鳥谷、ゴメスはレギュラー」と語り、攻撃不動の軸と期待したが、3人のうち2人がスランプに陥落した。この日先制2ランのゴメスは計22本塁打、77打点と数字だけ見れば及第点だが、リーグダントツの三振数(125)が示すように、ここ一番の勝負弱さは幾度もファンのため息を誘った。

 変革の旗頭を託した鳥谷の打率は規定打席到達者でリーグ2番目に低い26位。失策が2桁を数えるなど、名手らしからぬ低迷もあり、シーズン半ばにして攻撃陣は根幹を失い、崩壊していた。

 「今さら…」。CSの望みが絶たれた現実を会見で問われた指揮官は、ぶ然とした表情でそう言った。先発投手陣で4本柱と期待した中で藤浪、岩田の低調ぶりも想定外だった。この日5回持たなかった能見もそう。岩貞、青柳の台頭がなければ、先発ローテーションは崩壊寸前。抑えの方程式も最後まで定まらなかった。

 金本監督「(若い選手は)攻撃においても守りにおいても、すべて見られているわけだから。来年どれくらい、というのは…」

 残り7試合。ペナントレースの消化試合が若虎にとってサバイバルの号砲となる。金本阪神2年目のシーズンへ、屈辱を晴らす旅がきょうから始まる。

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