福原引退 タテジマ一筋18年 最後の花道は伝統の一戦10・1甲子園で

 阪神・福原忍投手(39)が今季限りで現役を引退することが22日、分かった。近日中に会見が行われる。福原は98年度ドラフト3位で入団後、2度のリーグ優勝に貢献。中継ぎ転向後は、11年から5年連続で50試合登板を達成するなど、年齢を感じさせない投球でチームを引っ張った。投手では球団最長となるタテジマ一筋18年。引退試合は、今季最終戦の10月1日・巨人戦(甲子園)となることが濃厚だ。

 CS進出の道も途絶え、チームが来季を見据えて戦い続けている中、ベテラン右腕が自身の現役生活にピリオドを打つ。愛し続けたタテジマに、別れを告げる。チーム最年長39歳の福原が、今季限りで現役を引退することを決断。近日中に、会見が行われることが分かった。

 投手キャプテンを任された今季は、結果的に節目となるシーズンとなった。昨年までと同様、開幕からセットアッパーとして期待されたが、8試合の登板に終わった。4月17日・中日戦での登板後、同20日に登録抹消。そこから2軍で調整を続けたが昇格の声はかからず、熟考の末、引退の決断に至った。

 それでも、ここまで見せてきたプレーの価値は色あせない。投手でのタテジマ一筋18年というのは、球団史上最長という功労者だ。98年度ドラフト3位で東洋大から入団。1年目は、中継ぎと抑えだけの登板で10勝9セーブを記録した。00年から先発に回ると、03年と05年には2度のリーグ優勝も経験した。

 10年から中継ぎに専念し、11年から昨年まで球団史上3人目の5年連続50試合登板を達成。また、昨年まで2年連続で輝いた最優秀中継ぎは、球団史上最年長でのタイトル獲得だった。ここまで歴代43位となる通算594試合に登板。力強い直球を武器とした年齢を感じさせないパフォーマンスが、多くのファンに夢を与えてきた。

 18年にわたるプロ野球人生。02年は右肩手術、10年にはプロ初の未勝利に終わるなど、すべて順風満帆といったものではない。ただ、そういった苦労を重ねる中で得た豊富な経験や技術論には、確かなものがある。人望も厚く、若手投手陣らにとって良き手本であり、頼れる存在だった。

 この日は午前中から鳴尾浜を訪れ、他の選手らと共にキャッチボールやランニングなど、通常通りの練習をこなした。今後、2軍での登板予定はなく、「引退試合」は今季最終戦となる10月1日・巨人戦(甲子園)が濃厚だ。

 17年前、ルーキーイヤーのプロ初登板が、東京ドームでの巨人戦だった。プロとしての第一歩を踏み出した伝統の一戦。舞台は同じだ。18年間、阪神を支えてきた男の集大成にふさわしいマウンドとなる。

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